NHK大河ドラマ「光る君へ」より高畑充希

NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8時)の合同取材会がこのほど行われ、藤原定子を演じた高畑充希(32)が出席した。撮影を振り返り、視聴者にインパクトを与えた出家のシーンや、自身が思う今作の魅力について語った。

-「光る君へ」大石さんの脚本の魅力

全キャラクターがすごく生き生きしているように感じます。このキャラクターの見せ場です、という分かりやすいことではなくて、みんなが良い面もあり悪い面もあり、それがどんどん絡んでいきながら気付くと史実になぞって話が進んでいくという。今回の大河は戦がないので、すごく人間ドラマが見応えある印象。平安時代の人と人の関わり合いって、今の令和の時代に身近に感じる物ではないと思うんですけど、大石さんが描かれると、とても身近な物に感じられる。ちゃんと恋愛の部分はときめくことができるし、政治や陰謀とか人々の気持ちの絡み合いにはハラハラできる。次が見たい、どうなるんだろうと毎回思わせてもらえるのは、やっぱり大石さんはすてきな作家さんだなと思います。

-家族に大きな影響を与えた兄・藤原伊周の失脚。三浦翔平さんと共演してみて

私は結構、伊周好きで。三浦さんはすごく美しい方ですし、ちょっとでもかっこつけたいというのが出てもおかしくないのに、どこまでも不格好にご本人が全力で、ダサさとか哀れさみたいなものを演じられている。怒りというよりは、あまりに哀れで涙が出てくる感じは、台本読んでいるときには感じなかった。あそこまで行ききっていると、一周まわって愛せてしまう。三浦さんは割とハードな発散するシーンが多かったんですけど、撮影中に私の表情を撮っているときって全力じゃなくても成立はするんですけど、毎カット全力で罵倒して暴れてくださった。そのおかげで本当にちゃんと同じテンションで感情を持って行けた。現場で三浦さんの伊周はすごくすてきだなと思ってみていてました。

-伊周が太宰府へ左遷、定子が出家するシーンは

感情のテンション、エネルギーがすごく強い幕切れにしたいと思っていました。当時、出家するのは自死に近い、みんなの前で自殺するくらいの感覚だったそうなので。髪を切ったのは史実。どうにか、髪を切っただけなのにどうしたの? といった終わり方にならないようになったら良いなと思っていました。髪を切るのは結果で、そこに至るまで、いろんな方がお芝居をつないでくださって。伊周さんが駄々こねてくれたり、お母さんが号泣してたり。いろいろな階段を皆さんが一段一段構築してくださったので、現場に入る前は出家するシーンが不安で、「大丈夫かな、そこまで行けるかな」って思っていたんですけど、現場ではそのように持って行ってもらえた感じが強かったので、台本を見て不安になっていた自分がバカだなと思いました。私が切ると言うよりは、家族みんなが頑張ったというシーンです。

-今後、一視聴者としてどのように楽しみたいか

まひろ(吉高由里子)がこれから源氏物語を書いていく。私がほぼ会えなかった彰子(見上愛)に仕えていくというところの台本もらっていないので、どうなるか知らないんです。まひろさんの行く末は気になります。どんな風に物書きとして変わっていくんだろうって思います。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 「光る君へ」高畑充希、兄・三浦翔平「毎カット全力で罵倒してくれた」 出家シーンは家族が結集