「テレビ離れ」と言われて久しいが、いまやテレビは、「番組を観る」よりも、ビデオやゲーム、ネットなどとつなげることにより、テレビを「観る」時間よりも、テレビモニターを「使っている」時間の方が長い人も珍しくない。


 そんな「テレビがテレビとして活用されなくなりつつある」時代に、デジタル機器とつながることにより、テレビの新しい活用の仕方を示す製品発表会をコンピュータ周辺機器製造メーカー『ピクセラ』が、10 月30 日に東京・新橋にある同社東京営業所にて開催した。


 ひとつめが、個人・家族へのアプローチ。


 トップ画面に「温度」「湿度」「時間」「天気予報」「フォト」「トピックス」「TVのおすすめ」「TVの視聴ランキング」などのアイコンを表示。


 ピクセラのテレビは、Android TV(※1)を搭載しているため、「フォト」のアイコンをクリックすると、グーグルのクラウドに上げた写真を共有することにより、画質のいい写真を大画面で、家族で一緒に観られる。数年間蓄積すれば、フォトアルバムにもなり、子供や家族の成長を楽しんだり、懐かしんだりするなど、思い出話に花が咲く。また、ビデオもクラウドにあげとけば、「そうそう、あの時、ラグビーのW杯があったね。試合観に行ったよね」などと、プライベートで撮ったビデオやその当時のテレビ番組の録画を呼び出せば、より、会話も弾むし、臨場感も増す。



 株式会社ピクセラ製品事業本部本部長・堀伸生氏は、「写真などのコンテンツは記憶と結びつき、時間と共に価値が増していく」と、家族の時間・空間、家族の絆への想いを熱く語った。


 ※1)Android TVとは、Googleが提供しているAndroidを搭載したスマートテレビのプラットフォーム。Google Playストアは、Android TV向けのコンテンツも充実。動画はShowtime からNETFLIX、YouTube、Spotify、hulu、DISNY CHANNELなどまで揃い、膨大な数のアプリやゲームは試しきれないほど。


 もうひとつは、宿泊業へのアプローチ。


 Android TVを搭載したBS/CS 4K放送対応チューナー内蔵 4K Smart TVの業務用『BIZmode』製品として、「PIX-40VM100-BZ1」「PIX-43VP100-BZ1」「PIX-50VM100-BZ1」「PIX-55VP100-BZ1」の4機種を11月より受注開始する。


 特徴は、Web(HTML5)上に自由に記述し、動画や静止画を組み合わせて、独自のトップ画面を制作することができるという。たとえば、TVを表示したり、アプリを起動させたりすることが可能。



 たとえば、この日、紹介された画面には、宿泊施設の外観画像とともに、「TV視聴」「ホテルインフォメーション」「ルームシアター」「レストラン混雑状況」「ランドリーの使用状況」「アプリ一覧」「Chromecast」「目覚まし時計」というメニューが並んでいる。


 「レストラン混雑状況」や「ランドリーの使用状況」というホテル内の情報が、部屋に居ながらにして一目でわかるというのは助かるサービス。ビジュアルとともに、多言語表記できれば、外国人の観光客への「おもてなし」にもなる。


 もう一つの特徴は、業界初となる「リモート機能」。遠隔で各部屋のテレビの設定・制御・状態監視を実施できること。宿泊施設の従業員が、各部屋を回ってテレビ一台一台を設定したり、テレビの電源のオン、オフをしなくて済む。また、各テレビを個別に設定することも可能だという。


 さらにファームウェアのダウンロードや更新の遠隔制御や有償だが、アプリのインストールの遠隔制御も可能。さらに12月には、Wi-Fiのアクセスポイントとして利用できる機能の追加も予定する。


 まずはホテルを皮切りに、旅館・サイネージ・ケーブルテレビといった業務用用途としての普及を目指し、本格的に展開していく。将来的には、学習教育、在宅勤務・教育プログラム、カルチャー教室などさまざまな事業へ、「BIZmode」を積極的に展開していくという。


 





















    株式会社ピクセラ製品事業本部本部長・堀伸生氏




情報提供元: News Lounge