ブランド品からゲーム機までいろいろな品を物々交換


 「わらしべ長者」という日本のおとぎ話があるのをご存じだろうか。


 ある1人の貧乏人が最初に持っていたワラを旅の途中で物々交換していくうち、わらしべ→アブが結び付けられたわらしべ→蜜柑→反物→馬→屋敷となり、大金持ちになったという話だ。


 しょせん、おとぎ話だろう?と思うかもしれないが、21世紀に「わらしべ長者」となった男がいた。カナダ人のカイル・マクドナルドという人物が、2005年から1年間かけて、物々交換で「赤いクリップ」を「家」に変えたのだ。


 2005年7月12日にインターネットの物々交換サイト『クレイグスリスト』(Craigslist)に赤いペーパークリップとの交換のメッセージを掲載。これを1年後の2006年7月12日までに一戸建ての家にまで交換していきたいと希望した「赤いペーパークリップ・プロジェクト」を始めた。


 そして、赤いクリップ→魚のペン→ドアノブ→キャンプ用コンロ→赤い発電機→即席パーティーセット→スノーモービル→ヤークへの旅行の権利→小型トラック→レコーディング契約→1年間家賃無料の賃貸権→(ロックスター)アリス・クーパーとの午後のスケジュール権利→KISSのスノーグローブ→映画出演権という物々交換を経て、ちょうど一年後に念願の「家」を手に入れた。


 こんな夢のような話はそうそうあるものではない。だけど、ある人にとっては無価値でもある人にとっては高価なものということもある。ましてや、今はネットやSNSで全国、全世界、いろいろな人たちとつながるチャンスがあり、そこで交わされる情報の量も膨大。



 フリマアプリやネットオークションなど、「お金が介在すると・・・」と、二の足を踏む人やトラブルも多い。そこで、物々交換という「無料で」モノとモノとを交換できるアプリ『Clip』(ドリコム)はどうだろうか。


 同アプリに売買という機能はなく、お金を使わない「交換」、「貸す」、「ゆずる」の機能に特化している。そのためクレジットカードも銀行口座も不要でサービスを利用することができる。


 スマホ一つで簡単・手軽に楽しむことができます。身の回りの持ち物をスマホで撮影し、簡単な説明を記入して投稿をするだけ。取引成立後は、取引相手とアプリ内チャットで簡単にやり取りができるので、郵送なのか、会って受け渡しなのかも相談して決められる。現在はiPhoneユーザーのみのサービス提供。


 また、グループをつくることで友人や共通の趣味の人、同じ目的の人と楽しく、安心して取引ができる。さらに、アプリ内に、欲しいものや必要なものが登録されていなかったら、リクエスト機能(近日公開)を使って交換してくれる人や貸してくれる人譲ってくれる人を探すことができるようにもなるという。


 現在、登録されているアイテムは、


・帽子、服、靴などのファッションアイテム


・PC、スマホなどのITガジェット


・テレビや扇風機、カメラなどの家電


・スポーツ、キャンプなどのホビー用品


・漫画やCD、DVDなどのエンタメアイテム


・化粧品、バス用品などのコスメ用品


 など、多岐にわたる。


 実際にこのアプリを始めた人たちからは、「お金に比べて取引に失敗しても怖くない(痛くない)」「売る→買う よりも交換のほうが楽」「お金が関わらないから損得をあまり考えなくていい(感じにくい)」などといった声が上がっている。


 今後の利用方法としては、


 「PS4とWiiUの交換」


 「自分の好きなブランドを手軽に手に入れる」


 「貰ったいらないプレゼントを交換する」


 「ライブチケットと物を交換する」


 「化粧品の色違いとかが欲しかった時」


 「制服の交換(制服ディズニーなどを行う時に違う制服は着たいけど買いたくはない)」


 「月額の洋服レンタルのサービスはお金がかかるからしたくないけど、物々交換だったら気に入ればそのまま持っていられるので嬉しい」


 などの声がある。


 「赤いクリップ」から「家」とまではいかないかもしれないが、「物々交換」という超原始的にして最強の交換システムの達人になれば、押し入れの奥や倉庫に眠っているものが宝の山に!なるかもしれない・・・


 









情報提供元: News Lounge