マギー審司も肉親や親戚を東日本だ゜位震災で亡くした


 東日本大震災から5年の3月11日、東京・有楽町駅前広場で、『3.11WALK』イベントが開催された。有楽町広場には約4000人が集まり、オフィシャルサイトで8123人が趣旨に賛同したことを示すなど、目標としていた1万人参加を達成した。


 5年前のあの日、交通がマヒした首都圏で、会社や学校から帰宅するために歩いて帰る人たちの列が夜通し続いた。何時間もかけて歩いて帰る人、途中で断念し、「帰宅困難者」となった人も多かった。その思いを忘れず、東日本大震災が発生した3月11日にあわせて通勤・通学先から歩いて帰ることを参加者に体験し、震災の記憶を風化させず、防災・備蓄意識を高めることを目的としている。


 そして、自身が発生した時間が近づくと、広場には、「黙とうをお願いします」のアナウンスが流れる。すると、ビジネスマンや買い物客らも足を止め、被災地の東日本の方向である北東に向かって、地震が発生した午後2時46分に合わせて黙とうをささげた。


 有楽町広場には、12時より、2011年3月11日から復興中の現在までの岩手県、宮城県、福島県の様子を伝えるパネルが展示された。また、岩手、宮城、福島の県産品を抽選でプレゼントするブースや牛タンのキッチンカーも出店した。



 午後6時からは、宮城県気仙沼市出身の手品師・マギー審司(42)と女優・小芝風花(18)、ミス・ユニバース日本代表の中沢沙理(22)、切り絵作家の蒼山日菜さんが出席して、「3.11 WALK」出発式が行われた。


 祖母と叔母と親類の女性を亡くしたマギー審司は、「3月11日が来るとその日は特集やニュースをいっぱいやる。でも、次の日からはまた日常に戻ってしまう。風化させないためには3月12日からが大事」と、切実に訴えた。


 被災地は、7メートル~10メートルのカサ上げ工事が進んでいない。マンションの完成が遅れているため、仮設から移れない人がまだまだ多くいる。復興商店街も5年で移転しないといけないなど、いつまで“仮設”が続くのかと、不安な日々。


 マギーは、「5年たって(被災地は)安定しているわけではない。『5年目の今が一番つらい』という人もいます。人が減っているので、商売やってる人も収入が落ちているなど、様々な問題があります。全てを一緒にコメンとすることは難しいです。どこにいてもまだまだ課題はあります。何が足りないかは、そこに行って足りないものを聞かないと、正直わからない」と、状況を真剣に語る。



 そこで、「東北に遊びに行って欲しい。観光でいいんです。美味しいもの食べて、おみやげ買って帰ってくれればいいと思う。東北の人たちはすごく温かいのでおもてなしがすごいんです。一度行けば、東北ファンになってもらえると思うので、ぜひ足を運んで欲しい」と、呼びかけた。


 13歳の時に大阪府に住んでいた小芝は、「テレビから流れている映像に衝撃を受けました。本当に日本でこんなことが起こっているのか実感がわかなくて、どこか遠い国の出来事みたいに思うこともありました。でも、東京に引っ越してきてから、何度か地震を経験して、家の中にいても家族と一緒にいても本当に怖い経験でした。そして、家族で大きな地震が来た時どうするかということを話し合い事ができました。今日はみなさんと一緒に防災意識を高めあえたら」と、表情を引き締めた。


 自衛隊による炊き出しも配布され、2月に逆戻りしたような寒空の中、温まってから歩き出す参加者が多く見受けられた。


 


自衛隊員も東日本の方角に向かって黙とう


自衛隊の炊き出し車


炊き出しに集まる参加者たち


炊き出しで心も体も温まる





パネルも展示


牛タンのキッチンカーも出店


趣旨に賛同している著名人たちのサイン





「東北に遊びに行って」と訴えるマギー審司


女優・小芝風花


ミス・ユニバース日本代表の中沢沙理


切り絵作家の蒼山日菜さん




情報提供元: News Lounge