9月3日(木)、バリーカレボージャパンによる「サステナブルチョコレートの未来~菓子業界の今後~オンライン記者発表会」が開催されました。



バリーカレボージャパンは「チョコレート」をテーマに、品質の高いカカオ豆を提供し続けるためサステナビリティの重要性や日本の消費者のインサイトについて発表。


その後、サステナブルチョコレートを使用した商品の開発について、森永製菓株式会社、有楽製菓株式会社、株式会社ファミリーマート、ジースプレッド株式会社、チョコレートデザイン株式会社、株式会社前田商店、ル ショコラ ドゥ アッシュ各社から「サステナビリティ」への取り組みとともに発表されました。



バリーカレボージャパン株式会社 代表取締役社長のパスカル・ムルメステールさんは「前例の無いことが起こっている現在、サステナブル(持続可能)な未来を築くことは、もはや提案ではなく私たちにとっての最優先事項です。」と切り出し、「新しい日本の消費者が求めるのは美味しくて体に良いだけでなく、地球や人にもやさしいチョコレートだと考えます。それを実現するために、バリーカレボーグループはサステナブルチョコレートを2025年までに標準化するという非常に挑戦的な計画『フォーエバーチョコレート』を立ち上げました。」と今後の計画について発表。


この計画は、チョコレート供給現場における持続化への課題である「児童労働ゼロ」「農家の繁栄」「自然の繁栄」に取り組み、バリーカレボーのすべての製品における原料を100 %サステナブルなものにする展望とのこと。



バリーカレボージャパン株式会社 ダイレクターの花生 浩平さんからは、「なぜ今サステナブルなのか」について説明。企業によって様々な経営課題やマーケティングプランがある中で、なぜ今着目すべきが「サステナブル」なのか。


・日本の消費者の72%が食品・飲料を購入選択する重要な要素としてサステナビリティを意識


 (高品質・信頼性・価値観にあう・気分を向上してくれる)


・66%の消費者がサスレナブル商品のためならもっとお金を出しても良いと感じている


・80%の消費者が目的意識のある企業に非常に高いロイヤリティやサポートの意思を示している


このような数値から、「今サステナブルな取り組みに力をいれパイオニアになることで、今後の実りを享受していけるのでは、と考えている」と語りました。



ここからはバリーカレボー社の「フォーエバーチョコレート」の計画に賛同し、製品にサステナブルチョコレートを使用し、サステナブルな取り組みを行っていくチェンジメーカーが取り組みについて、実際にその企業の商品を手に取りながら拝聴。


森永製菓株式会社



宮井 真千子さん(森永製菓株式会社 取締役常務執行役員)


森永製菓のサステナブルの取り組みは、社会貢献活動として2008年から「1チョコ for 1スマイル」という1商品購入で1円カカオの国の子ども達へ寄付する取り組みを実施しており、10年で2億円の寄付に。12年目となる今年は「1チョコ for 1スマイル」の対象商品をココアやアイスクリーム等にも広げ、嵐の櫻井翔さんが出演する「1チョコ for 1スマイル」のCMを放映するなどもっとこの活動に力を入れていくとのこと。また、今後は原材料をバリーカレボー社が供給するサステナブルカカオへ変えていくという展望も語りました。



サステナブルチョコレートを使用した森永製品

有楽製菓株式会社



河合 辰信さん(有楽製菓株式会社 代表取締役社長)


「ブラックサンダー」で有名な有楽製菓株式会社は、世界の子どもたちを笑顔にするため、児童労働の撤廃に取り組むサステナビリティ活動を行なっています。


なせ児童労働の撤廃に力を入れているかというと、「皆様を笑顔にする」という思いを持ってチョコレートを生産しているが、そんなチョコレートの原料であるカカオの生産地の子供達の笑顔を犠牲にしている状況ではいけない、と思い至ったから。作る人も食べる人もみんなが笑顔になるよう、児童労働撤廃活動をしているNGO.団体のACEに支援を開始しているとのこと。


また、ブラックサンダーをはじめとする主力商品に使用するチョコレートの一部をサステナブルチョコレートに変更しています。



サステナブルチョコレートを一部使用したブラックサンダー。安定の美味しさ。

株式会社ファミリーマート



佐藤 英成さん(株式会社ファミリーマート 常務執行役員 商品・マーケティング本部長)


ファミリーマートは環境問題の解決として、「プラスチック対策」と「食品ロス」というサステナビリティへの取り組みを紹介。サラダの容器にバイオマスプラスチックを使用したり、のむヨーグルトの容器をプラスチックから紙製品へ移行しており、2030年までには環境配慮型素材の使用割合を60%まで引き上げる予定で、食品ロスに関してもおでんの販売形式を見直すなどの取り組みで、2030年までに店舗の食品廃棄物を50%削減していく予定とのこと。


また、チョコレート製品についても、バリーカレボー社のサステナブルチョコレートを使用した商品を2020年12月1日から発売予定です。



12月に発売予定のサステナブルチョコレートを使用した「ストロベリーチョコ」と「ビーカンナッツチョコ」

ジースプレッド株式会社



若尾 守康さん(ジースプレッド株式会社 代表取締役)


売上や利益よりも、日本に優しさを広げたい、という思いから設立されたジースプレッド株式会社。


途上国の子供達や地域を支援している国際NGO.団体のworld visionとのタイアップで作られた「Happy Gift」は本体価格の5%が途上国の学校建設資金に使われます。今までにこの資金でバングラデシュ、ケニア、スリランカに学校を建設。


バリーカレボー社に賛同し、持続可能な社会にするために、優しさ(Gentleness)を広げる(Spread)活動・行動を続けていきたいと語りました。



優しさが広がるよう、ハート形のメッセージが入ったハートクランチチョコ。

ル ショコラ ドゥ アッシュ



辻口 博啓さん(ル ショコラ ドゥ アッシュ パティシエ ショコラティエ)


ル ショコラ ドゥ アッシュの辻口さんは、バリーカレボー社とは27年前からの付き合いだといい、バリーカレボーの革新的なショコラに対する思いを深く受け止めているそう。


ペルーやエクアドルに行った際に、カカオ農家が消費者のニーズを知らないままカカオを作っている現状があると知り、農園との関わりをもっと強く持つべきだと感じたそう。バリーカレボー社のサステナブルな取り組みは生産者の方も大事にしながら、消費者にカカオの価値をアプローチしていく循環型の取り組みなので、もっと全世界へ発信していくべきだと語りました。


また、店舗では食品ロスがほぼ出ないような取り組みをしているという。売り切れる分しか用意せず、閉店時間前だろうが、無くなったらもう店頭に商品は出さない。「しっかり売り切る」というスタンスで商品を作っているそう。


チョコレートデザイン株式会社



八木 克尚さん(チョコレートデザイン株式会社 代表取締役社長)


チョコレートデザイン株式会社は2006年にカカオ農園の児童労働の現状を知り、フェアトレードチョコレートを使用する活動を始めたとのこと。


フェアトレードチョコレートを使用した商品の開発・販売の他に、一部が破損して見た目を損ない販売できなくなってしまった商品をチャリティーオークションに出品し、味は損なわれていないのに廃棄せざるをえなかった商品を購入していただいた費用でカカオの生産地に学校を建設することに成功。


さらに「農園のお母さん応援プロジェクト」と称し、カカオ生産に関する教育プログラムなどを提供するといった活動を続けています。



主力商品のショーコラ。濃厚なチョコレートクリームをココアクッキーでサンドしている。

株式会社前田商店



前田 要一さん(株式会社前田商店 代表取締役社長)


前田商店さんは社会課題への取り組みとして、カレボー社の代理店を48年続けていること、RSPO対応の油脂製品の販売、孤児院や医療センターへの寄付、NGO.団体 CISVへの協力、紙製ストローや保冷剤の不使用、サステナブル原料の使用などを挙げました。特に医療センターへの寄付は、今年はコロナと戦う医療従事者の方へバリーカレボー社と共同支援したとのこと。


今後もバリーカレボー社と歩調を合わせ、2025年のサステナブル100%原料に向けて取り組みを続けていくと語りました。


 


この大きな意味のある取り組みにはまだまだ先があり、今日もその先に進むための1つのステップだと語るバリーカレボージャパン株式会社 ダイレクターの花生さん。


消費者である私たちも、社会を構成する1員として、身近なチョコレートから「サステナブルな社会」を目指し、取り組んでいけたら…。そう思わせてくれる記者発表会となりました。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 持続可能な未来を創る。「サステナブルチョコレートの未来~菓子業界の今後~」オンライン記者発表会