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「あおいアヒル」(作:リリア 訳:前田まゆみ 出版社:主婦の友社)
子供に読んであげたい絵本であると同時に、大人に是非読んで頂きたい絵本でございます。
認知症の親御さんの介護をされている方が読めば、癒されること間違いナッシングでございます。「親の老化を自分は受け止めることができるだろうか」と、将来不安を感じている方も癒されます。(キッパリ)
いつか訪れるその時を、優しい気持ちで迎えられる絵本でございます。
青いアヒルがワニの赤ちゃんと出会うところから物語は始まります。アヒルはそのワニの赤ちゃんを育てることに。アヒルはたくさんの愛情を注ぎ、ワニはスクスク成長します。そして、アヒルは年をとり認知症を発症、ワニを拒絶するように。果たして、ワニはアヒルに対してどんな行動をとるのか……。
子供より大人の方が、心にグサリと刺さる物語でございます。
現在、出版されている認知症をテーマにした絵本の多くは、作者が実際の経験をもとに描かれておりますが、この絵本もそうでございます。
作者のリリアさんは、アルゼンチンで生まれ育ち、現在、韓国で活動されている絵本作家ですが、子供時代に認知症の祖母を見守る家庭のかなで育った経験の持ち主でございます。
絵も大人向けの絵で、まさに「大人絵本」でございます。
本棚に置いておき、人生の様々なタイミングで取り出して読んで頂きたい絵本でございます。一生付き合っていける絵本でございます。
認知症だけでなく、親子の関係など、様々なことを考えさせられる、そして、ほっと癒される、そんな絵本でございます。
普段、絵本を読まない大人の方に是非、手にとって頂きたい絵本でございます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)