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現在、アップリンク吉祥寺にて開催中の「普通は走り出す+異能・渡辺紘文監督特集」として公開中。
本作の異質なのは、監督自らの日常を綴る事で監督の思想や考えが訴えられていく所。つまり、本作の主人公は、本作の監督や脚本、編集、製作を兼任する渡辺紘文監督なんです。坊主に髭で小太りな男。それが本作の主人公・渡辺監督。祖母と二人暮らし。日々を暇潰しのように生きている日常が描かれます。新作の準備中と言いつつ、毎日、同じ喫茶店に籠り、長電話。雑談トークを展開。脚本執筆はスランプと前置きして、ゲームに熱中した話やワールドカップトークを語り倒します。唯一の友人は、苺農家で働く幼馴染み。彼に運転させ、ロケハンという名のドライブへ。車内のトークは、最近、観たスピルバーグ映画の話。クラウドファンディング批判。映画評論家批判。 脚本を書く為に図書館籠りしてるはずが、『男はつらいよ』のDVDを観て爆笑。図書館スタッフに情けないほど怒られる始末。人間ドックを受ける為に訪れた病院でも、日頃の不摂生を鬼注意されます。
アホみたいな描写&トークが連発される割りに、全編、モノクロのインテリジェンスな映像。作品を批判する手紙がインサートされたりと自由自在な作風がスパーク。自分本意で、一見、ワガママとも思える監督の発言の数々。所が、時たまドキッとするような生々しい意見も飛び出します。それが、日本映画の監督に対する扱い。フランスと日本の映画監督への扱いの違いを「アリとキリギリス」の寓話に例えたりして、ハッとさせられます。その降り幅のように、アホみたいなシーンも連発されます。神社にマシンガントークでのお願いの数々が最高!! 下手に出ながら言ってる事は「カンヌでパルム・ドールを獲りたい」「他の監督の仕事が欲しい」など、なかなか飛んでもない願いばかり。市長へ映画製作資金の相談に行くシーンも、全く話が噛み合わず笑ってしまいます!! そんな日常は、どんどん現実と虚構が曖昧に変化していく、まさに渡辺監督版『8 1/2』的な作品になっています!!
本作は、映画監督の渡辺紘文と映画音楽家の渡辺雄司の兄弟によって旗揚げされ、故郷の栃木県大田原市を拠点に創作活動を展開する映画制作集団「大田原愚豚舎」の5作目となる長編作品。吉田靖直率いるロックバンド「トリプルファイヤー」の楽曲から着想を得て、作られたのが、本作『普通は走り出す』なんです!! さらに、松本まりか、萩原みのり、古賀哉子らフレッシュな女優陣が脇を固めているのも本作の注目ポイント!!
普通は走り出す+異能・渡辺紘文監督特集-大田原愚豚舎の世界-
日時:10月25日(金)~11月14日(木) ※20:00台を予定
上映作品:普通は走り出す/八月の軽い豚/そして泥船はゆく/七日/プールサイドマン/地球はお祭り騒ぎ(全6作品)
劇場:アップリンク吉祥寺料金:一般¥1,500/ユース(22歳以下)¥1,100/アンダー18(18歳以下)¥1,000/シニア(60歳以上)¥1,200/ジュニア(15歳以下)¥800/UPLINK会員¥1,000
■10月29日(火)Dプロ「七日」上映後トークショーゲスト:宇賀那健一(映画監督)、渡辺紘文(本作監督)
■10月30日(水)Aプロ「普通は走り出す」上映後トークショーゲスト:松本まりか(女優)、山内ケンジ(映画監督)、渡辺紘文(本作監督)
■11月3日(日)Aプロ「普通は走り出す」上映後トークショーゲスト:吉田靖直(トリプルファイヤー)、渡辺紘文(本作監督)
■11月6日(水)Aプロ「普通は走り出す」上映後トークショーゲスト:萩原みのり(女優)、渡辺紘文(本作監督)
■11月11日(月)Eプロ「プールサイドマン」上映後トークショーゲスト:矢田部吉彦(東京国際映画祭D)、渡辺紘文(本作監督)
■11月14日(木)Aプロ「普通は走り出す」上映後トークショーゲスト:今泉力哉(映画監督)、渡辺紘文(本作監督)
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