- 週間ランキング
駅前ロータリーから徒歩数十秒、歓楽街の入口に赤ちょうちんに縄のれんの一軒家が現れます。この佇まい…古い建物好きの筆者にはたまらない外観です。赤ちょうちんの東京遺産と呼ぶにふさわしいこの店の名は「鳥茂」。
平日の夜はたいてい満席ですが、この日は時間も早く、雨が降り続く悪天候。のぞいてみると、入店OK!しかも、2階の座敷に通してもらえることに(喜)
年季の入った建物の2階は、飲食店というより昭和初期の民家のような雰囲気。開業から70年近く経つと聞いて思わず納得です。現店主は先代の息子さんで、焼くのはお母さんの仕事。こちらは「鳥茂」という店名なのになんと焼きとんの専門店。まずはビールをやりながら品定め。といきたいところですが鳥茂のメニューに値段表記はありません。
さらに…普通の店にあって鳥茂にないものがもうひとつ。それはお箸です。お通しについてくる2本の串が箸代わり。初めての方は驚くかもしれませんが、他と違うのはこのぐらいなので、後は安心して焼きとんを楽しんでいきましょう。
一品目は「かしら」…やわらかくてジューシーな焼き上がり。からしが良く合います。
この後、なんこつを挟んで「レバー」が登場。
こちらも申し分なしの美味しさです。なぜか野菜串がついてきて、これをレバーと交互に食べると、イイ感じです。
焼酎の水割りにスイッチしたところで真打のお出ましです。
「豚の脳」はふつうの焼き鳥屋さんではなかなか味わえない珍味。イメージよりくせが無くてやさしい味。ネギがたっぷりのっているのでどんどん食べられます。そんな焼きトンの店ならではの串がもう1本。
コブクロも食べられる鳥茂…実は新宿の「鳥茂」と暖簾分けしたお店。あちらは接待にも使われる高級店ですが、五反田の方が建物の雰囲気や立地を考えると、贅沢な感じがしてしまいます。
珍味の後は定番の「つくね(ピーマンの肉詰め)」がよろしいようで。こちらをいただいたところでお勘定。
いつも見上げていた鳥茂の2階から外を眺めてみると、向かい側には更地が…。そこはかつて雑居ビルで、たしか1階に「フレッシュネスバーガー」があったはず。そんな記憶をたどりながら、昭和の雰囲気がそのまま残る「鳥茂」の2階で飲めたことが、より一層ありがたく感じられました。ちなみに1階のカウンターも味わい深い空間なので独り呑みにはうってつけです。
店名:『鳥茂』
住所:東京都品川区東五反田1-15-11
電話:03-3443-2211
営業:17時~23時(月~土)
定休日:毎週日曜