- 週間ランキング
「字のないはがき」(原作:向田邦子 文:角田光代 絵:西加奈子 出版社:小学館)
見てのとおり、原作、文、絵、それぞれ人気女性作家さまが担当されております。
「直木賞作家の宝石箱やぁ」と彦摩呂さまが言ったとか、言ってないとか…。何はともあれ、ゴイスーなメンツでごさいます。お三方とも直木賞作家さまでございます。そそもそは、故・向田邦子さまの実の妹、和子さまから、角田さまに「絵本にして欲しい」とのお話があったのが、きっかけのようでございます。
原作は、中学校の国語の教科書でも使われている向田さまの人気エッセイ「字のない葉書」でございます。実話でございます。主人公は、妹さまでございます。
まだ幼く字が書けない妹が疎開する際、父親が「元気なときは大きなマルを書くように」と大量の葉書を渡します。最初は大きなマルが描かれていたのに、それが小さなマルになり、やがて……」というお話でございます。
絵を担当された西加奈子さまですが、「サラバ」「まく子」などで有名ですが、実は絵本もだされております。それらは文も絵もご自身が担当されており、絵の実力は実証済みでございます。絵の描ける直木賞作家でございます。
そして、もう一冊がこちら。
「へいわとせんそう」(文:たにかわしゅんたろう 絵:Noritake 出版社:ブロンズ新社)
「字のないはがき」と比べると、かなりシンプルでございます。言葉も絵も。
そんなところから、一見、幼い子供に向けた絵本と思われがちですが、実は、ゴイスーに大人向けの絵本でございます。シンプルな言葉と絵で、平和と戦争について、読むというより体感する、感じる感覚の絵本でございます。
「せんそうとへいわ」の間違いでは…。と思われた方もいらっしゃるのでは。
たしかにトルストイの作品は「戦争と平和」でございます。
文を担当した詩人の谷川俊太郎さま曰く、本来は平和であることが当たりまえ。。平和なところに、戦争がやってくるので、これでいいとのことでございます。
ちなみに、谷川さまは日本を代表する詩人でございますが、絵本の世界でも大御所でございます。数々の名作を世に送り出されております。昨今、話題の外国絵本「スイミー」の翻訳もされております。
絵のNoritakeさまは、NHK E テレ「デザインあ」や、集英社文庫の新キャラ「よまにゃ」など、広告、書籍、雑誌、ファッション、プロダクト制作と幅広く活躍されております今注目のクリエイターさまでございます。
テレビやラジオでは、これから終戦記念日に向け、平和や戦争をテーマにした特別番組が放送されると存じますが、今年は、絵本で平和や戦争について考えてみるのはいかがでございましょう。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)