ご存知の通り、出版不況でございます。街の本屋さんは次々にその姿を消しております。絵本専門店もしかりでございます。

昨年、日本初の児童書専門店として1973年に創業した名古屋の老舗「メルヘンハウス」も45年の歴史に幕を下ろしました。絵本好きなら知らない人はいない絵本専門店でございました。そんななか!でございます。昨今の絵本人気、大人絵本ブームもあり、一度閉店した絵本専門店が復活するケースも……。

有名なところで言うと、本の街、東京・神保町唯一の新刊児童書の専門店「ブックハウス神保町」でございます。一度閉店したものの、一昨年、「ブックハウスカフェ」として復活いたしました。小さいお子様が遊べるスペース、さらに夜はブックバーとして、お酒もお楽しみ頂ける大人にもウレシイ絵本専門店となって復活したのでございます。本の品ぞろえ、絵本関連のイベントの多さでは、日本一ではないかと。是非一度、ホームページをチェックしてみてくださいませ。

さらに!でございます。

アノ伝説の絵本専門店も復活を果たしたのでございます。復活の噂は以前から流れており、今か今かと待ち望んでいた絵本ファンの数もゴイスーではないかと……。

そのお店とは、絵本ファンの聖地とも呼ばれていた吉祥寺の絵本屋「トムズボックス」でございます。こちらは、2015年末、22年の歴史に幕を下ろしておりました。

小さな店内には、絵本編集者でもある店長の土井章史様が集めたこだわりの絵本が所狭しと並んでおりました。「ぎっしり」という表現がまさにしっくりくる店内でございました。

土井様は、マツコ・デラックス様も絶賛したレジェンド絵本作家、長新太様や井上洋介様などの絵本の編集もされており、絵本業界では知らない人はいないゴイスーな編集者でございます。そんなこともあって、絵本作家の原画展も店内で開催するなど、トムズボックスは絵本作家とファンが語り合う小さな「名所」でもございました。

そんな「トムズボックス」が、ついに絵本の古本屋さんとして復活いたします。

場所は、吉祥寺から西荻窪にお引越しでございます。

オープンは6月21日(予定)。営業日は、木曜、金曜、土曜日。週のうち3日だけの営業でございます。営業時間は正午から午後8時まで。

住所は杉並区西荻北3−11−16でございます。

「夢は必ずかなう。僕は妖怪になる!」がキャッチフレーズの異色の絵本作家、加藤志異様もたまに店番をしているとの噂もございます。

中古絵本屋さんとして復活した「トムズボックス」、是非一度、足を運ばれてみてはいかがでございましょう。

そして最後に……。

厳しい出版不況の中、頑張っている街の小さな絵本屋さんもまだまだ、たくさんございます。メルヘンハウスが閉店して、現在一番古い絵本専門店となっている「こどもの本のみせ ともだち」も、その一店でございます。

こちらは、横浜市の日吉本町にございます。ゴイスーなのが、なんとかお店を残そうと、地元の主婦のみなさんが共同経営しているところでございます。その想いが伝わるアットホームなお店でございます。

ゴイスーに親身になって一緒に絵本を選んでくれること間違いナッシングでございます。お近くの方、そうでないかたも、是非是非!

癒されること間違いナッシングな街の絵本専門店に、是非是非、足を運んで頂きたいのでございます。素敵な絵本と出会って頂きたいのでございます。

文化通信 2017年05月29日発売号
Fujisan.co.jpより

(文:絵本トレンドライター N田N昌)

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 伝説のアノ絵本専門店がついに復活!閉店、復活が相次ぐ不思議な絵本専門店事情