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それは「隠す」と「盛る」という観念の違いなのかも知れません。男性の場合は、自毛が薄くなってしまった部分を隠すという機能が優先であり、女性の場合は、髪型を自由に楽しむためにヘアーを付け足すという機能を求めます。
つまり男性も女性のように、ウィッグをつけて髪型を変え自由に楽しむという発想で利用すれば、被ることに抵抗もなく根拠のない後ろめたさも解消されるのではないでしょうか。いつもと違う自分に変身したい!という願望をアクセサリー感覚で身に着ける気持ちが大切なのです。
今回アデランスでは、気持ちを切り替えたり気分をあげたりする目的で外見を変えることをドイツ語の変化や変身を意味するメタモルフォーゼまたは略してメタモルと表現するとし、薄毛対策市場とメタモル市場を比較し、将来的にメタモル市場の伸び率が現状の薄毛対策市場の5倍である約2兆9,000億円になると予測しています。
また、アデランスが行った「外見・見た目として意識するタイミングや、シチュエーションで気にする部分はどこか?」という20代~60代の男性を対象としたアンケート調査では、「自分の写った写真をSNSにアップした時」といった回答が目立ったそうで、アデランスでは「会話術や雰囲気といった個人のパーソナリティよりも、見た目の印象がフィーチャーされる時代になり、髪型や姿を変えることに抵抗がなくなってきたのではないか」という見解を示しています。
では、実際にウィッグをつけるとどのような気分になるのでしょうか。
中山雅史氏から「何でもチャレンジだよ」と背中を押され、「Mr.アデランスコンテスト」に出場しファイナリストになった経験のある高井氏は、ウィッグをつけ始めた当時「顔つきや目つきまで優しそうに変わったよね」と周囲の人から言われたそうです。
「この髪型になってから6年がたち周囲も慣れ始めてきましたが、最初はすれ違っても誰も気が付かなかった。妻にいたっては「まるで家庭内不倫でもしているかのよう」と冗談を言うほど劇的に変身したようです」と、その効果が思った以上であり、恥ずかしさよりもむしろ周囲の反応を見るのが楽しかったと振り返りました。
一方、楠木教授は、大学で教鞭をとるかたわらバンドマンというセカンドライフを楽しんでおり、そのパフォーマンスにおいてセカンドヘアーを着用しているそうです。「ライブでしか会わない方は、パーマのかかったロン毛の姿が僕のデフォルトだと思っているかも」と話し、このように分身しメタモルフォーゼした自分が“もうひとつの市場”を作り上げて、経済の活性化を図るセカンドヘアー需要を提案しました。
「僕自身で言えば、セカンドヘアーを着用する時はロッカーなのだから、その髪型にあった革ジャンが欲しいとか、もう一つの世界(市場)が広がる。そういった世界を認識することで、アデランス×ファッションブランドのような、新しいマーケティングも創造できるかも知れない」と、メタモル市場には薄毛対策などの悩み需要とは違う波及効果があると示唆しました。
髙井氏は、中山選手から「ファーストヘアー以外にも金髪など別のウィッグを作ったらいいじゃない!」と勧められているそうで、モヒカンヘアなど“盛った”髪型にするのも楽しいかもとコメント。いろいろな性格の方がいるが「やってみよう!」と思うことが大切。一歩、踏み出してみれば世界が変わるとアピールしました。