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1980年代の“リアルロボットアニメ”の先駆けとして大人気となった【超時空要塞マクロス】がザワザワしている。’82年アニメ放送スタートからTVシリーズ、映画、漫画などで受け継がれ35年余続いているが、ガンダムのような派手さとまた違う根強い人気を誇っている。去年、「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ」の上映で、更に人気熱は消えず燃え盛るままのようなのだ。
まずは、今年すでに発表されているイベントをざっと挙げる。
『マクロス』シリーズの劇場版全7作品を“爆音”で上映する「マクロス爆音映画祭」。
・東京・新宿ピカデリー2019年1月11日(金)~1月24日(木)
・大阪・なんばパークスシネマ2019年2月1日(金)~2月14日(木)
・名古屋・109シネマズ名古屋2019年4月5日(金)~4月18日(木)
以上3会場、各会場2週間限定で開催。
“マクロス爆音映画祭”上映作品<全7作品> ※[初]:爆音映画祭初上映
■超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
■マクロスプラス-MOVIE EDITION-[初]
■劇場版マクロス7 銀河がオレを呼んでいる![初]
■劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~[初]
■劇場版マクロスF~サヨナラノツバサ~[初]
■マクロスFB7 オレノウタヲキケ! [初]
■劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ[初]
マクロスシリーズの、好きな作品、キャラクター、メカ、歌の4つのカテゴリーで人気投票しランキングを決定する企画。投票は特設サイトにて受付中。「初代」マクロスから最新作の劇場版「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ」まで、登場するキャラなどそれぞれ網羅している。
投票期間は4月21日まで。放送は5月4日(土)。
番組HP https://www.nhk.or.jp/anime/macross/
※BSプレミアムでは3月30日(土)に「歴史秘話 マクロスヒストリア」が放送される。これも見逃せない!
歴代「マクロス」シリーズに参加してきたアーチストが集結するビッグステージ!
・公演日:<DAY-1>2019年6月1日(土)開場16:00、開演17:00
<DAY-2>2019年6月2日(日)開場16:00、開演17:00
・会 場:幕張メッセ 国際展示場1-3ホール
・出 演(敬称略):飯島真理(リン・ミンメイ)
:福山芳樹(熱気バサラ)
:チエカジウラ(ミレーヌ・F・ジーナス)
:May’n(シェリル・ノーム)
:中島 愛(ランカ・リー)
:戦術音楽ユニット『ワルキューレ』
美雲ΔJUNNA、フレイアΔ鈴木みのり、カナメΔ安野希世乃、
レイナΔ東山奈央、マキナΔ西田望見
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以上のあらゆる情報は、「MACROSS PORTAL」(http://macross.jp/)で詳しくゲットできる。
私は「超時空要塞マクロス」の世代であるが、アニメは熱心に見ていなかった。でも強く印象に残っていることがある。
それは1984年の劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の主題歌・劇中歌「愛・おぼえていますか」と、そして劇中に登場するアイドル“リン・ミンメイ”の声優であり、この曲を歌った「飯島真理」の存在だ。
衝撃だったのは映画のCMがテレビで流れてきたときだった
♪おぼえていますか 目と目が会ったときを
おぼえていますか 手と手が触れあった時
それは初めての 愛の旅立ちでした
I love you, so
透き通った歌声に耳を奪われた。
35年前のリアルな記憶を思い出す。次の日、学校でアニメに詳しい友達聞いたら、
「リン・ミンメイの声優で飯島真理っていうんだ」と教えてくれた。
きっと世間に私みたいな者が多かったのだろう、地元ラジオのリクエスト番組で票が急に増え、お店の有線放送でもよく流れるようになった。レコード屋さんに行きジャケットを見て初めて飯島真理の顔を知った。おかっぱヘアーにぷくっとしたほっぺが印象的で、TV「ザ・ベストテン」に出演した時はドキドキしながら見た。初めて聴いた生の歌声に「うた、うまっ!」と思った。私は歌声にやられた。
アニソンは1983年の「キャッツ・アイ」(杏里)あたりからポップな方向へ変わっていく。
「愛・おぼえていますか」は映画版の主題歌ではあったが、現在では当たり前の、歌詞に作品タイトルやキャラ名などが入らない先駆け的な曲だったはず。ただし、「愛・おぼえていますか」の歌詞は意図的に映画の物語や世界観とリンクさせて作成したためマクロスファンの心に共鳴した。特にサビ部分はぐっとくる。ヒットの裏側にそんな要因があった。
曲はオリコンチャート最高7位、トップ10には6週連続でランクインした。
第7回アニメグランプリアニメソング部門・女性歌手部門、第2回日本アニメ大賞主題歌賞を受賞。1984年は約27万枚を売り上げた。もちろん映画もヒットし配給収入は7億円にもなった。
飯島真理は大学生時代に、音楽事務所に送ったデモテープがきっかけで芸能契約。1982年に、度胸試しで受けたというマクロスの声優オーディションに合格する。それがアニメの中で歌もうたうリン・ミンメイだった。そして本格的歌手デビュー前にファンクラブができるほど人気は膨らんだ。
1983年9月に坂本龍一プロデュースのアルバム「Rosé」でデビュー。(※その前にアニメ「スプーンおばさん」のOP/ED曲がリリースされている)シンガーソングライターだが、翌年ブレイクする「愛・おぼえていますか」は作詞・安井かずみ、作曲・加藤和彦という大御所が手がけていて、本人はレコードのB面で映画の挿入歌でもあった「天使の絵の具」を作詞作曲した。
曲のヒットをきっかけに歌番組などメディアの露出が増え知名度はアップ。
ただ、彼女の中の葛藤は、“リン・ミンメイの飯島真理”というイメージだった。そして声優アイドル的な扱いにも戸惑ったようだ。
アニメと曲がセットでヒットし、更に声を演じたミンメイが人気キャラでイメージが強烈だったため、彼女のライブでは、アニメファンからミンメイが作品中で歌った曲「私の彼はパイロット」「愛は流れる」を求められることが多かった。映画から月日が流れているのにまだそれを求めてくるので「私はアニメに興味はありません」と発言し周囲を凍りつかせたこともあった。ミンメイとは決別したい気持ちが強く、自分はあくまでシンガーソングライターだとわかってほしかったはず。
当時、まりン(愛称)ファンの友人は「彼女はミンメイじゃなくて飯島真理っていう歌手なんだ」。マクロスファンの友人は「ミンメイあっての飯島真理だし」と言ってケンカになったことがあった。田舎の小僧がこんなバトルをするのだから、都会のマニアレベルじゃもっと凄かったかも(笑)。
飯島真理本人はというと、やはりリン・ミンメイの影を払拭したかったようで、1989年に渡米して活動拠点を変える。(渡米しても日本で曲はリリースしていた)
ここで衝撃を受ける。アメリカでもマクロス人気が凄かったのだ。と同時にミンメイの認知度にも驚く。そして、アメリカのファンはミンメイと飯島真理を切り離して接してくれたことで悩みが和らいでいく。そうなると逆に、客観的にミンメイを感じ受け止められるようになり、その偉大さに気付かされた。
1990年代に入ると、マクロス関連イベントやゲーム制作にも参加したり、大規模なアニソンライブ出演や海外で開催されるアニメコンベンションにも出演するようになる。
また、2006年には、アメリカで発売(海外版)されたDVD『Super Dimension Fortress MACROSS』でミンメイの声優を22年ぶりに演じた。日本原作アニメの声優が、海外版でも同じキャラクターを演じるのは史上初のことだった。
ミンメイの顔も見たくないと思った時期もあったけど、録音スタジオで久しぶりに彼女と対面すると自然に涙が溢れ、「あなたのことは一生私が面倒を見るからね」と約束したと話している。また、のちに「マクロスとの出会いは私のたどる運命のひとつ。愛でいっぱい、抱きしめます。」と語った。
このエピソードを聞いた時はなんだかホッとした。
そして、今はアニメ関連、マクロス関連のイベントなどに参加し、元気な姿と美声を披露している。もちろん6月1・2日に開催する「MACROSS CROSSOVER LIVE 2019 at 幕張メッセ」にも「NHKマクロス大投票」にも登場する。
現在、飯島真理さんはロスアンゼルスで暮らしながら音楽活動中。その様子はブログで伝えてくれる。愛犬とバレエレッスンのネタが多い(笑)。
https://ameblo.jp/mari-iijima/
「NHKマクロス大投票」の番宣やミンメイの声などを自宅で録音したそうだ。ミンメイの声が久々に聞けるなんてファンは涙モノだろう。
私の中で彼女の声と、歌声は、ずっとずっと「美」として心に残る ――― 。