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第91回アカデミー賞外国語映画賞には韓国代表作として出品。同国史上初めて最終選考9作品に残りました。
母親は子供時代に疾走。父親は裁判中というハードな境遇の主人公は貧乏生活を始めたばかり。
物語は、整形手術により美人にリメイクした幼馴染みの女の子と再会するシーンからスタート。早々にセックスを済ませ、頑張って生きてたら良いこともあるんだなーと観てたら、話は急展開。
なんと、その幼馴染みが旅行から戻ると、イケメンなプレイボーイと一緒だったんです。このプレイボーイ、マンションも車も友達もパーティもスーパー高級!まさに絵に書いたリア充!
そのプレイボーイの前で乳房を出して踊ったりする幼馴染みの女の子。もう主人公の思考回路はショート寸前に。
そんなタイミングで、「ボクの趣味はビニールハウスを燃やす事なんだ」とエキセントリックなカミングアウトをしてくるプレイボーイ。「もう何なんだ!」と思っていたら、この日を最後に幼馴染みの女の子と連絡が着かなくなるんです。ここから話は唐突な疾走ミステリー展開へ強制突入…
プレイボーイを尾行したり、幼馴染みの女の子の家へ通ったりと、もはや犯罪レベルの危ない情熱がスパーク。「自分は彼女のことをどのくらい知っていたのか?」という中二病な自問自答。青すぎる遅れてきた青春映画から、サスペンスこってりなミステリーへトランスフォームしていくんです。
今までの些細な会話や行動の数々が全て伏線になって、巧みなクライマックスへと流れ込んでいきます。
主人公の貧乏青年を演じるのは、『優しい嘘』や『ベテラン』など韓国ヒット作品に出演するユ・アイン。本作でも純粋が暴走する主人公を体現。
さらに、謎まみれのプレイボーイを演じるのが、ドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズにレギュラー出演していたスティーヴン・ユァン。
自由奔放なヒロインを演じるのは、本作が映画デビュー、オーディションで選ばれたチョン・ジョンソ。彼女がベテラン勢に負けない堂々とした演技っぷりで活躍。濡れ場もある難しい役どころを体当たりで熱演!!
原作は村上春樹の短編小説『納屋を焼く』。本作では舞台を韓国&年代を現代に再構築。その為、格差が極端な韓国経済を作中に取り入れてたり、テレビにアメリカのトランプ大統領の演説シーンが写し出されたりしています。
本作のイ・チャンドン監督は、「親の世代よりも経済面で厳しくなる初の世代」との説明。そう考えるとカンヌでパルムドールを争った『万引き家族』と比較するのも面白いですね。カンヌ常連のイ・チャンドン監督は『ポエトリー アグネスの詩』以来8年振りの新作とあって、画面から気合が伝わってくる本気仕様。
前半は安い青春ドラマっぽいですが、中盤以降はサスペンスフル。伏線回収も素晴らしい脚本!村上春樹テイストな青春モノ好きは勿論、ミステリー好き、サスペンス好きにもオススメできる一本です!
映画『バーニング 劇場版』は2月1日より公開です!
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ギボ・ログ★★★★☆(星4つ)