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性感染症は、自覚症状が表れにくいのが特徴で、感染したことに気づかないまま他人との性的接触を重ねてしまう傾向があります。性病感染検査機関「GME医学検査研究所」(以下GME)では、自身の健康管理とともに感染拡大を防ぐためにも、しっかりとした知識と予防、検査を怠らないでほしいと呼び掛けています。
「GME」さんといえば、以前「【ガチ検証】アラサー男性10人に性病検査を受けさせてみたら意外な結果に」の記事で、編集部 矢嶋が“たいへん”お世話になった検査機関。
http://magazinesummit.jp/lifetrend/1717991180907 矢嶋のように「俺(わたし)は、大丈夫」と思っているあなた!“まさか”はあります!他人事ではないのです。
下記グラフ「梅毒の年齢階級別報告推移(男性/女性)」(東京都感染症情報センター)によると、男性は30代~40代、女性は20代がもっとも顕著であり、また、男女とも2012年あたりから急激に罹患者数が増えていることが分ります。
感染症の陽性率が上るのは7月、8月、9月で、おおよそ夏頃に陽性率のピークに。(GME資料)「6月、12月は性感染症者が増える」という統計を出すクリニックもあり、ボーナスの支給により風俗利用が増えるためと考えられています。(風俗の求人サイトでは、稼げる時期は8月、12月ともいわれている)
梅毒に感染するとどうなる?
梅毒は粘膜(性器、肛門、口)などや傷口などと直接接触することで感染し、その進行は1期~4期にわかれています。
第1期-感染から約3週間後-
細菌が侵入した部分に、小豆~指頭ぐらいの暗赤色のしこり(初期硬結)ができ、つぶれると潰瘍、硬性下疳(コウセイゲカン)に変化します。痛みを伴わないことも多く自覚症状がないので、この期間に他人にうつす可能性があります。
その後、鼠蹊部(太腿の内側辺り)や頸部(耳の下辺り)のリンパ節が腫れ、これらの症状は痛みを伴わないことが多いまま2~3週間で自然に消退します。
第2期-感染から約3ヶ月後-
第2期は梅毒が全身に拡がっている時期であり、口周辺、全身の皮膚や粘膜に紅斑様の発疹ができるなど、臓器梅毒の症状がでます。それらは、徐々に白くなって粘膜斑になります。アレルギーや風疹に間違えられることもあり、適切な治療を施す必要があります。妊婦が感染すると死産や胎児の障害につながる恐れもあります。
第3・4期-感染から約3年後-
感染から3か月~3年にかけて発疹など、さまざま症状が現れます。皮膚や筋肉、骨などにゴム腫(ゴムのような弾力のある腫瘍)ができ、臓器にも病変が表れます。第4期は、梅毒による大動脈炎、大動脈瘤あるいは脊髄癆、進行麻痺など、さまざまな病変が生じ合併症などから死に至ることもあります。
現在は、治療方法が発達しているため第3~4期梅毒はほとんどみられません。早期の薬物治療で完治するものなので、気になることがあれば、専門機関の『検査キッド』や最寄の病院(性病科、泌尿器科、婦人科、感染症科、耳鼻咽喉科など)を訪ねることをおすすめします。
梅毒のほかに、もっとも感染者数が多いのが「クラミジア」で、感染すると排尿時の違和感、尿道の痒み、オリモノ増、生理痛のような下腹部の痛みなどの症状が表れます。実に、女性の80%が感染の自覚がないそうです。
男性が感染すると尿道炎や精巣上体炎などを引き起こす可能性があり、悪化すれば不妊症の原因にもなります。女性は、子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎などを引き起こす可能性があり、悪化すると不妊症の原因にもなります。
また、「クラミジア」よりも症状がでやすく感染率も高いとされるのが「淋病」です。排尿時の激しい痛み、強い尿道痛、黄ばんだ膿が尿道から出る、オリモノ増、生理痛のような下腹部の痛みなどの症状が表れます。
「クラミジア」と同じく、男性は尿道炎や精巣上体炎。女性は、子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎などを引き起こす可能性があり、悪化すれば男女とも不妊症の原因にもなる可能性があります。
性病(性感染症)は、性交だけでなくオーラルセックスなどの広い範囲の性行為(粘膜接触)を含み、その多くは血液や精液、腟分泌液などの体液によって感染していきます。
身近でデリケートな病気でもあるのでメンタル的にも落ち込むこともありそうですが、現在は、さまざまな抗菌薬があり、なるべく早期に適切な診断と治療をうけることが大切です。ピルの服用ではなくコンドームの着用を心がけるなどの予防も必要。もし感染してしまったら一緒に診察を受けるなど、パートナーへの配慮も予防になりますね。