「うちらだって、頑張っとるんや!!」。そんな魂の叫びが聞こえてきそうな、笑いと切なさと期待感が混同した、なんともシュールな動画です。

関西三空港の一つ、大阪国際空港(通称:伊丹空港)が4月18日に大規模改装を経て、リニューアルオープンしました。約50年ぶりとなる大幅なリニューアルによって、伊丹空港にしかない店舗や関西ならではのグルメ、ショッピングが楽しめる34店が新規出店します。

屋上エリアは、子ども向けのキッズプレイランドや家族で楽しめるイベントエリアなどを設置。1階の南北に分かれていた到着口を2階中央1カ所に集約させ、モノレールやバスへのアクセスもスムーズに。

そんなワクワク、ドキドキするようなリニューアルオープンにあたって関西エアポート株式会社は、2本のWeb動画を公開しました。

まずは「変えます!ITAMI ver.」。舞台は会議室。6人の伊丹空港リニューアルプロジェクトメンバーが、もっとワクワクドキドキできる空港にするために熱い議論を交わしています。

上司らしき人物が「こんな会議でええんか」と一喝。「もっと我々が努力して」、「利便性の向上」、「誰かがチャレンジしないといけない」など、シリアスな話し合いが続きます。

ふと、男性メンバーが口を開きます。「アンケートを取ってきたのでこちらを見てください」。この言葉がキーワードです。画面に映し出されたのは、伊丹空港内で撮影された利用者インタビューです。「伊丹空港に望むことは」という質問。どんな有意義な回答が飛び出すのか、期待に胸が膨らみます。

「望むことはないですね、別に」。

「関西空港の方がやっぱり好きですね」。

えっ…一瞬の間。

会議の場は、なんともいたたまれない空気に。目が泳ぐメンバー。自分たちの熱量とは裏腹に、「期待値ゼロ」という容赦ない利用者の声を目の当たりにしながら、彼らは心の中で宣言したのでしょう。「それでも変えます!」と。

次の標的はマスコットキャラ。はい、天丼きました!

もう一つの動画は「そらやんも、頑張るやん ver」です。前フリは同じ、シリアスなプロジェクト会議。今回は関西三空港のマスコットキャラクター「そらやん」を活用しようと、意見を出しあっています。

「そらやんって立体で可愛い!」、「お子様連れに優しい空港になるように」、「凄い夢が広がりますよね!」など前向きな発言が飛び交います。

ふと、男性メンバーが口を開きます。「アンケートを取ってきたのでこちらを見てください」。はい、きました。大阪名物、天丼です。

「そらやん…」

「何のキャラですか?」

「ウーパールーパーみたいな」

まさかの認知度。お子様連れに優しい空港にしたいのに、ベビーカーの子どもは至近距離で「そらやん」に遭遇して、大号泣。

そしてまたも会議室は意気消沈するのです。そこにやってくるノーテンキな顔をした「そらやん」がまた。。。そらやん、頑張れ!と応援したくなります。

ピンと張り詰めた空気から一転、ポップな音楽とともに流れるオチ。大阪らしい、とても心に残る1分弱の動画でした。

Kansai Walker (関西ウォーカー) 2018年5/8号 (2018年04月17日発売)
Fujisan.co.jpより
情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 【シュール動画】さすが大阪・伊丹空港。半世紀ぶりリニューアルで笑いをとりにいく!!