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そんななか、「世界が尊敬する日本人100人」にも選出されている世界的デザイナー、佐藤オオキ(デザインオフィスnendo代表)様が先日、絵本を出版されました。出版されたというより、デザインしたという方が適切かもしれません。
佐藤様といえば、常時、400もの案件を同時進行させている超売れっ子でございます。さらに、その半分以上が海外からの依頼とか。そう、世界を股にかけて、ありとあらゆるものをデザインしまくっております。カップヌードルのCMだって人気番組「アナザースカイ」(日テレ系)のスタジオだってデザインしちゃっております。
そんな佐藤オオキ様の絵本がダイヤモンド社から出版されたのでございます。
「コップってなんだっけ?」(作:佐藤オオキ)
経済やビジネスなどの書籍や雑誌を出版しているダイヤモンド社からというところがまた興味深いのでございます。明らかにターゲットは“大人”。 ビジネスマン、クリエーター職でございます。さらに、子供の想像力を養いたいと考える意識高い系の親御さまかと…。
キャッチフレーズが、「見方を変えるだけで、発想力がぐんぐん伸びる!楽しく読めて、これからの時代に必要な考え方が身につく新感覚絵本」でございます。いささかザックリ言わして頂くと、「コップ」をお題にした大喜利でございます。「日常を優しく疑い、新たな発想を促すような絵本」を目指し制作されとのこと。
と聞いて、絵本ファンの方ならピンとくるのが…
今最も注目されている絵本作家のひとり、ヨシタケシンスケ様の絵本「りんごかもしれない」でございます。
「りんごかもしれない」(作:ヨシタケシンスケ)
こちら、ヨシタケ様の絵本デビュー作で、第6回MOE絵本屋さん大賞で第1位を受賞しております。当時、絵本界でかなり話題になった絵本でございます。
内容は…。テーブルの上のリンゴをみて、「もしかしたら、これはりんごじゃないかもしれない。もしかしたら、大きなサクランボの一部かもしれないし、心があるのかもしれない。実は、宇宙から落ちてきた小さな星なのかもしれない…」と、リンゴについてあれこれ考察、哲学する絵本でございます。
そう、「コップってなんだっけ?」も「りんごかもしれない」も、共に発想を楽しむ哲学系絵本。コンセプトはまったく一緒でございます。ちなみに、ヨシタケ様の「りんごかもしれない」もそんな内容から大人から絶大な人気を集めております。
面白いのは、コンセプトは同じでも、両者のスタイルというか個性の違いがはっきりとでているところでございます。その辺りを是非、読み比べて頂きたいのでございます。
「コップってなんだっけ?」そして、「りんごかもしれない」。どちらの絵本も、普段あまり絵本を読まない方に是非、読んで頂きたい絵本でございます。
(文:N田N昌)