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「とんでもない」(作:鈴木 のりたけ)
2016年の「第9回 MOE絵本屋さん大賞」で4位に選ばれた人気絵本作家の鈴木様の作品でございます。こちらのお話は、主人公の男の子(人間)をはじめ、数々の動物が登場するお話。
まず、男の子がサイのことを「鎧のような立派な皮があっていいなぁ」と羨ましがります。すると、そのサイは「どんでもない!立派な皮は、重いんだよ。…。うさぎみたいに、ぴょんぴょん跳ね回りたいよ」と、ウサギを羨ましがります。
すると、ウサギはウサギで、「とんでもない!…」と、他の動物を羨ましがります。この展開が続々続いていきます。単純な展開でありますが、それぞれの悩みや細かい絵のこだわりがゴイスーなのでございます。大人が「やられた」と舌鼓を打ってしまうレベルでございます。絵も、ユーモアたっぷり、発想も豊かで、たまりまセブンでございます。是非、大人に読んで頂きたい絵本でございます。
そして、もう一冊がこちら。
「ペチューニアごようじん」(作・絵:ロジャー・デュボワザン 訳:松岡享子)
こちらは名作海外絵本、ペチューニアシリーズの1冊でございます。こちらのお話は、主人公のガチョウのペチューニアが、自分の庭ではなく、隣の庭の草、さらには丘のむこうに広がる草、さらには…と、よそのモノ(草)ばかりに目が行き、どんどん危険なところに足を踏み入れてしまうという物語。
同じ「隣の芝は青い」というテーマなのに、こんなに違うアプローチ、物語ができるものなのか、と体感できる2冊でございます。是非このタイミングで、ドラマとこの2冊の絵本、見比べてくださいませ。
(文:N田N昌)