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『あかがいちばん』(作:キャシー・スティンスン 絵:ロビン・ベアード・ルイス 訳:ふしみ みさを)
絵本の中には、色を扱ったものが多く、単独で赤をテーマやモチーフにした作品もございます。そんななか、大人に刺さる、さらにいうと哲学好きに刺さる絵本、それがこの「あかがいちばん」でございます。
去年12月に出版になったばかりの絵本なのでございますが、実は、カナダで1982年に刊行、多くの賞にか輝いた世界的ロングセラー絵本の待望の復刊本なのでございます。
内容はというと…
主人公は、とにもかくにも「赤」が大好きな女の子。しかし、母親はそれを理解してくれないのです。色ではなく、利便性などで判断するのでございます。大人の「打算」というやつでございます。
そんな母親に対して女の子は、「赤い靴下をはくと高くとべるし、赤いパジャマはおばけを追いはらってくれる」「ジュースだって赤いコップで飲むほうが美味しい」と主張!いったいどっちの言い分が通るのか…。そんなお話でございます。
子供の「好き」とう感覚をこんなにも的確に描いた絵本は他にないのでは…。この絵本を読んだ時、カズレーザー様の赤色好きと、この絵本の主人公である女の子の赤色好きが、きれいに重なって見えたのでございます。
「好きだから」という判断基準は大人になると、社会にでると、なぜか優先順位が急降下いたします。利便性、コスト、忖度、…「好きだから」という判断基準が一番だったあの頃を思い出させてくれる絵本なのでございます。
大人がいろいろ考えさせられる絵本なのでございます。子供より大人にハマる絵本でございます。是非、カズレーザー様に読んで頂きたい1冊でございます。
(文:N田N昌)