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「おもちのきもち」(作:かがくい ひろし)
主人公はお正月、床の間に飾られる鏡餅。鏡餅には悩みがありました。それは、いつ何時食べられるかもしれないという不安でございます。最初は飾り祭られていますが、ある日、突然、人間の手のひら返しを食らい、食べられてしまうことを知っているのでございます。
そこで、鏡餅は逃亡を図ります。その逃亡劇は予測不可能。想像もしない展開が繰り広げられるのでございます。そして、ラストにまさかの…。大人もワクワク楽しめる絵本でございます。ちなみに、この絵本の作者のかがくい様は、あの「だるまさんが」シリーズの作者でございます。
ちなみに、「だるまさんが」は、2008年に発行、わずか6年で100万部を売り上げたベストセラー絵本でございます。そんなかがくい様、経歴が凄いのでございます。2005年、50歳で絵本作家デビュー。そして、4年後の2009年9月、アイデアノートにいくつもの新作を残して急逝されたのでございます。
わずか4年のキャリアで、これだけ有名になった絵本作家、名作を量産した絵本作家は他にはいないと存じます。まさに伝説の絵本作家、レジェンドなのでございます。かがくい様の作品は、この作品に限らず、すべて大人が楽しめる作品ですので、是非一度、ご体験くださいませ。
そしてもう一冊は…
「おもちのかみさま」(作:かとう まふみ)
こちらの主人公は、どんなに焼かれても決して膨らまない超ガンコなお餅。さらに硬くなるため山に籠って修行まで…。果たして、超ド級の硬さを誇るガンコお餅を膨らませることはできるのか?毎年「M-1グランプリ」を観ているようなお笑い好きの方にも納得のオチで締めくくられております。
「おもちのきもち」、「おもちのかみさま」、2冊とも笑えるナンセンス絵本でございます。2018年の初笑いに是非、お使い頂けたらと存じます。
(文:N田N昌)