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今回は新宿で『メトロ一日乗車券』(600円)を購入。計算上はペイできる予定だが……
という訳で、今回は19番目(札所第十九番)と18番目(札所第十八番)20番目(札所第二十番)を巡ります。
メトロ丸ノ内線新宿駅から中野富士見町駅(170円)で下車。
ここから結構歩くわけだが、なんだか嫌じゃない。というのも私が上京したての頃、この辺に住んでいたから。変わったようで変わらない街並みを眺めながら12分ほど歩くと東円寺に到着。
自分にゆかりのある街とはいえ、ここにはお初。
上品な門構えから続くスロープを上り境内へゆくと正面に大きなお堂、そして左手には小さなお堂、逆は寺務所という立地。大きなお堂の前に立ったが、開帳されていないのはどこでもよくあることなので手を合わせる。
その後、寺務所へお邪魔し、呼び鈴を鳴らすと現れたのは美しいご婦人。
「お参りはお済で?」との質問に対し、私は返事と大きなお堂の方を手のひらでさすと、「あちらではないんです」とご婦人が示したのは小さなお堂。
一瞬、どっちでもいいかな……という思いがよぎらなかったかと言われれば嘘になるが、不信心とはいえ建物に頭下げて、ご本尊を無視して帰るのは忍びなかったので改めてお参り。
寺務所まで往復している間にご朱印は完成していた。スロープを下りながら、坊さんになるとあんな綺麗なお嫁さんが来るのかメモメモ…そんなことを考えながら次なる寺へ向かった。
丸ノ内線中野富士見町から四ツ谷駅下車(200円)。
駅を出て、迷う前に真っ先に交番に直行する。分からなくなる前に聞け、この旅で学んだ鉄則なのだ。すると珍しいことに女性警官が2人。目的地を告げると後輩っぽい警官が困惑、そこに先輩が割って入り、地図と行く先を示しながらてきぱきと説明してくれた。
どうやら難しい道順らしい。(というわけで、簡単そうだけど難しい順路を写真付きで説明します。)
新宿通りをまっすぐ。目標はジョナサン→ファミマ。ファミマの角を左に入る路地があるので曲がり、またまっすぐ。
突き当りまで進み、右折。細い道を歩くと左手に観音坂。
この坂、実に下りたくなる坂である。
で、到着するのが真成院。
門を入って右手に本堂に続く階段があるのだが、まず「寺務所でお参りする旨を伝えて」との張り紙があったので従う。寺務所に入ると、和服の美麗なご婦人が挨拶してくれた。階段を屋上まで上り本堂にお参り。夏真っ盛りに階段上りはなかなかの苦行である。
その後、寺務所であらかじめ渡しておいた帳面にご朱印を頂き、ありがたいことに冷たいお茶もごちそうになった。
本日、最後のお寺は、丸ノ内線四ツ谷駅から銀座で下車し、日比谷線に乗り換え神谷町駅下車(170円)。虎ノ門といえば、ブランドエリア。アッパーで意識の高い鼻につ……日本を支える人々が住んだり働いていたりするところ。そんな大都会の真ん中を歩いて10分弱で天徳寺に到着。
境内は、大都会にあるとは思えないくらい静かで緑深い。異世界に足を踏み入れたような感覚、お堂のどこか異国情緒を漂わせる佇まい。(異国に行ったことないけど)
お堂は開帳しておらず、お参りを済ませ日本家屋の寺務所へ向かうと、取り次いでくれたのは、ご婦人。説明を受けると、どうやらご本尊はこの家屋にあるらしい。またお堂に頭を下げた形だが、案内されるまま進むとご本尊が。今までにない距離感に威圧感を感じつつお参り。
今日は、ご婦人に縁のある素敵な日だなぁ、なんて思っていたら、ふと思い出した。近くにあの出世の階段で有名な愛宕神社があると。
出世するか、お坊さんにならなきゃ綺麗な嫁がもらえない!と思い足を向けることに。グーグルマップによると7分で到着。スマホに示される道順を歩くと登場『愛宕神社参道』。
歩を進めようとすると、脇を超絶美女が通り抜ける。自分が出世したいのか、出世する男を探しに来たのか……。
美女の残り香をたどりながらやや勾配のある道を進む、進む、進む、しんどい……。美女は、すいすいと先を歩き、やがて姿が見えなくなった。そして、汗だくで境内に辿り着く。……着く??
そこに広がる世界は神社然とした建物、鳥居、顔抜きパネル。
へ? 出世の階段は?
あたりを見渡し、くだんの階段を探す……。ありました……階段を上ることなく頂上に辿り着いていたのでした。
愕然とする。グーグルマップが示したのは最短の裏ルート。階段がある正面ではなかったわけだ。出世の夢すら見させてくれないグーグルマップの思し召し、無慈悲……。はたと思い出す、「美女は?」
そんなに広くない境内をそれとなく探す、が忽然と消えている。ああ、キツネの仕業か。キツネが私の出世を妨害しようというのか……。
女性に一喜一憂した観音巡りとなりました。
※ちなみに帰りの新宿まで(200円)で、交通費は740円で一日乗車券はペイされた。
その十観音へ続く……