プロ野球クライマックスシリーズ(以下:CS)の在り方について様々な意見が飛び交っている。今に始まったことではないのだが、特に今年は下克上が起こったからよけいに騒ぐ。2017年、セリーグは、レギュラーシーズン3位の横浜DeNAベイスターズが日本シリーズ進出を決めた。ファンは、さぞ喜んでいるだろう・・・と思いきや、SNSでは歓喜の声ばかりではなかった。


 


「勝ったのは嬉しいが、広島さんに申し訳ない気もする」


「セリーグ代表で良いのか、複雑」


 


という、後ろめたさを感じるファンの発言もたくさん見られた。冷静なファンは、広島とのゲーム差を卑下しているのだろう。1位広島と3位横浜のゲーム差は14,5も開いていたのだ。こうなると143試合という長いペナントレースは何だったのだろう?と思ってしまう。プロ野球選手は皆、日本一を目指すものだろうが、こうなると本当に賞賛されるのはリーグ優勝で、その先にある日本シリーズが“おまけ”のような気がしてくる。


 


と、言いつつも、過去のCSを振り返ってみるとリーグ1位のチームが、ほぼ日本シリーズ進出を果たしているのだ。セ・パ両リーグでスタートした2007年から今年までの11回を振り返ると


 


セ・リーグ)


1位チーム 8


2位チーム 2回(2007中日、2014阪神)


3位チーム 1回(2017DeNA


 


パ・リーグ)


1位チーム 10回 


2位チーム 0


3位チーム 1回(2010ロッテ)


 


リーグ優勝チームがCSを勝ち上がると、野球解説者などは「これが普通です。これでいいんです」などという。逆に、2位、3位チームが勝ち上がると、やいのやいのと物議を申し立てるわけだ。


 


そもそもCSは、早々とリーグ優勝が決まってしまうと消化試合に興味がなくなり、観客が入らない懸念を解消するために、米メジャーリーグのポストシーズンを参考に導入されたもの。確かに終盤まで興味が持続し盛り上がるので、やらないよりはやったほうが良いとは思う。ただ、もう少しルールを設けないといけないのではなかろうか?


 


CS進出の条件



現在は、レギュラーシーズン上位3位までに入れば無条件でCS進出決定なのだが、それがおかしいと思うのだ。勝ち上がったチームがリーグ代表に相応しいか? をもう少し考えてほしい。実は、個人的に、日本プロ野球機構(NPB)にこんな意見を出したことがある。(※偶然だが野球解説者の広澤克実さんも同様のことを話されていた)


 


リーグ1位と2位とのゲーム差が、10以上離れたらCSは行わない


リーグ3位のチームは、シーズンに勝ち越さなければCSに進出できない


 


CSを行うにも、このような条件、資格のラインを設けてはどうか。


 


このサジ加減は個人的なものだが、1位から10ゲームも離されたら完全なる王者と認めて文句はなかろう。3位といえどシーズン勝ち越してもいないのに日本一のチャレンジ権を与えるのは虫が良すぎる。そういう感覚だ。


 


例えば、1990年セリーグは、巨人が2位に22ゲーム差をつけ、ぶっちぎりで優勝した。この年、もしもCSが行われたとして、負け越し224ゲーム放されていた3位横浜が勝ち上がったら、ファンはどんな反応をしただろう? 私がオーナーだったら、恥ずかしくてCSすら辞退したいくらいだ。


逆に、2010年セリーグは、1位中日と1ゲーム差で2位阪神、ゲーム差なしで3位巨人だった。この年のCSは、日本シリーズを目指しての仕切り直し感もあって盛り上がったし、どこのチームが勝ち上がってもリーグ代表として納得がいったはずだ。


 


実は今年、NPBで、「1位と2位に10ゲーム差以上あれば、アドバンテージを1つ増やす」案が出ていたという。でも、そういうことじゃないと思う。ファンの感覚を汲み取ってほしい。


 


とにかくCS出場に関し、2,3位チームには、クリアしなければならないラインを引かなければ、肝心な日本シリーズが台無しになる可能性がある。改めて問いたい。もし、両リーグの3位チームが、共にレギュラーシーズン負け越しで、首位から15ゲームくらい離されていたのに、CSを突破しちゃって日本シリーズ大決戦!・・・これ、興味あるかな? 


 

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 3位対3位の日本シリーズになったら日本一に価値ある!?出場には条件が必要だ