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この2366万円という数字は、決してセレブな施設のものではありません。「平成26年度有料老人ホームにおける前払い金の実態に対する調査研究」の平均額なのです。公立のホームなど格安の施設もありますが、競争率も高く、誰でも簡単に入居できるわけではありません。
老人ホームがこんなにも高額なのは、月額の家賃に食費も入っているからなのでしょう。毎日過ごすのですから食費は3食分なので、それだけでも何万円もかかります。この2366万円を月額費用にならすと約13万円。決して高いほうではないのです。
老人ホームで暮らす場合は、かかるお金は食費だけではありません。娯楽費や医療費は自費で捻出する必要があるのです。その額には個人差はあるでしょうけれど、年金でまかなえるかどうかもシミュレーションしていかなくてはならないでしょう。
しかしシミュレーションと言っても、果たして自分が何歳まで生きるのか、何歳まで元気で働くことができるのかという予測には、限界があります。結局はお金はあればあるほどいい、という結論にしかならないのでしょうか。
実は私の知り合いが、ゲイのための老人ホームを作ろうと奔走しています。入居者は全員男性。仲間たちと共に老いていきたいという考えからです。高齢化社会が進むにつれ、今後こうしたニーズが細分化された有料ホームやシェアハウスが出てくる可能性は十分にあります。
例えば今も、シングルマザーのためのシェアハウスや、保護猫と暮らすシェアハウスなど、いろいろなシェアハウスが出てきています。趣味や生きかたが近い人達と共に暮らすことは、ストレスも少ないし、イベントも多発して毎日を楽しめそうです。老人ホームも「老人」とひとくくりにしない作りになっていくのではないでしょうか。