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馬が道端の草を食ってしまい進行が遅れてしまうことから転じて、目的地へ行くまでに余計な時間がかかってしまうことを“道草を食う”といいますが、じつは秋が、人も道端の草を食べられる時期だってご存じですか。散歩がてら土手や近所の原っぱなどを散策してみると、意外と節約にもつながる、いろんな意味で“美味しい”道草を食えるかもしれません。
まず野草を探すときは、日当たりのいい草むらを探すことです。
中規模の公園であれば原っぱのような大きい広場がいいでしょう。土手や河川敷などにもさまざまな野草が群生しています。ただ、ペット連れの人が通る散歩コースのような場所の場合、犬のおしっこやうんちなど衛生面で不安があることも……。人が歩きそうな場所であれば、摘む際に周囲をチェックし、できれば臭いなども確認しておくと安心かもしれません。
では、いったいどんな野草を発見できるのか。この時期に見つけられる野草の一部をご紹介しましょう。
・アサツキ……ネギの仲間。春と秋に見かけることが多く、秋は球根が美味。葉はきちんと洗えば生でも食べられる。ノビルと見極めが難しく、アサツキは数十本で群生していて、葉が直立にピンと立っている。根茎がらっきょうのような形で、毛根が無数にある。
・ノビル……ネギの仲間。アサツキと見極めが難しく、ノビルは単体で自生していて、葉がややしなっていて、曲がっている。根茎が玉ねぎのような形で、細長い毛根が数本ある。
・オオバコ……葉が大きく、道路わきなど人や動物、自動車に踏まれそうなところに自生している。
・スイバ(ギシギシ)……ほうれんそう草に似た見た目。酸味とヌメリがあり、あく抜きして食べる。
・クレソン……苦味が少なくて、爽やかな香りとシャキシャキ感が特徴的。
・ドクダミ……やや臭気があるが、風邪、便秘、高血圧、神経痛、動脈硬化、冷え性などに効くという万能薬。
・キクイモ……秋になると直径6~8センチほどの黄色い花が咲く。花の咲き終わる時期に地中に芋ができる。
取れる野草によって食べ方はいろいろ。サラダで食べられるものもあれば、塩茹でして和え物で食べられるものもあります。ただ、野草は全般的にアクがあるため、アク抜きしたほうが確実です。また、衛生面で少し抵抗があるという人もいるでしょう。どうしても不安がなくならない場合は、よく水洗いして、油炒めやてんぷらにすると精神衛生的にも安心です。
野草摘みで気をつけたいのが、有毒植物と間違わないことです。
厚生労働省によれば、今年もすでに死亡例が1件あり、HPには過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況がまとめられているので、野草を取るときの参考にしておきましょう。万が一迷ったら食べない勇気を持つことも大切です。
出典:厚生労働省「過去10年間の有毒植物による食中毒発生状況(平成19年~28年)」http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html
たとえば、有毒植物の代表として「スイセン」があります。これは「ニラやノビル」と間違えて食べてしまうそうですが、ニラやノビルの葉などにはネギに似た臭いがあります。こうしてそれぞれの違いや特徴を知っておくことで、誤食を避けることができるかもしれません。