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2017年10月14日から、プロ野球クライマックスシリーズ(以下CS)がついに開幕します。ファーストステージ、ファイナルステージと戦い、日本シリーズ(以下日シリ)に駒を進めるリーグ代表を決める連戦。
07年からCSが導入され今シーズンで11回目。これまで熱いゲームが繰り広げられてきましたが、真剣勝負であるからこそ、ときたまハプニングもおこります。そこで今回は野球に興味が無い人でも今年から観ようかな? と思えるかもしれないCS珍事件をご紹介します。
15年CSファイナルステージ。ヤクルト対巨人第1戦。7回1アウトで迎えた巨人の攻撃。一塁に阿部選手を置き、打者・長野選手が左中間最深部に大きなフライ。ヤクルトのセンターがフェンス際でキャッチ。フライであったため走者・阿部選手は二塁までの中間辺りまで走り一塁へ帰塁。これはセオリー通り。長野選手は全力疾走で一塁ベースを蹴り、阿部選手を追い越しました。
しかしこのプレー、審判はセンターが直接捕球しておらずボールがフェンスに当たってからキャッチしたと判断し記録はヒット。しかし長野選手が阿部選手を追い越してしまった為、「追い越しアウト」とジャッジしました。フライアウトと思い込んでいた両者は呆然。追い越しアウトというあまり見られないプレーに球場はざわつきました。
14年CSファーストステージ。レギュラーシーズン2位の阪神と3位の広島の戦い。ファーストステージは3試合制2勝先取でファイナル進出となりますが、この年、まず阪神が先勝。広島はがけっぷちで臨んだ第2戦。両チーム得点をあげられぬまま延長戦最終回12回表、広島はスコアボードに0を刻み裏の阪神の攻撃を待たずして史上初のコールドゲームで試合終了。阪神がファイナルへの進出が決定しました。
これはどういうことかというと、CSルールとして、仮に1勝1敗1分になった場合、レギュラーシーズン上位が勝ち抜けるため、12回表に広島が得点をあげられなかった時点で、阪神は「負けない」ことが確定。仮に第3戦、広島が勝利したとしても星取りが並び、阪神がファースト突破となるため、裏の攻撃を行わずコールドゲームとなったのです。
この試合で広島最後の打者となり苦渋を舐めた選手。今日、広島の中核を担うバッターとして成長しました。それが鈴木誠也選手でした。(今はケガをしていますが)
今では常勝チームとして君臨しているホークスですが、かつては「CSに呪われている」とささやかれるほど、勝ちきれないシーズンが続きました。まず04年から3年間、CSの前身であるプレーオフでは3度出場。そのうち2度はレギュラーシーズン1位になりましたが3度とも敗退。その後、名を変えCSとなり、07年、09年と進出しますがリーグ制覇ならずでした。
上記の悔しさもあり、10年のシーズンは1位でシーズンを制覇したホークス。これまでの雪辱を果たすべく、臨んだCSファイナルではロッテと対戦することに。2勝で迎えた3戦目、1点リードの8回にハプニングは起こりました。バッターの小久保選手が、レフトスタンドめがけて会心の一打。
そもそもホームラン確信歩きがカッコイイとの定評がある小久保選手はこの時も、確信し悠々と歩きながらガッツポーズ。……ところが、ボールは思いのほか伸びずフェンス直撃。結果シングルヒットでベース上で恥ずかしそうにしている姿は、今日まで語り継がれています。このプレーが影響してはいないと思いますが、日シリ出場権を逃しました。
とはいえ、その強さは変わらず11年もレギュラーシ-ズンを1位で飾りCSへ。ファイナルで西武相手に連勝で圧倒し、3戦目は引き分け以上で日シリ進出となる大事な試合に臨んだホ-クス。
同点のまま延長戦に突入し12回表、西武の攻撃。得点が無ければ引き分け以上となりホークスのCS制覇が確定、2アウトであと1人という緊張する局面。バッターがライトフライを打ち上げると……、ベンチにいた松中選手が興奮のあまりマウンドにダッシュ。ところが、審判に制止され、慌ててベンチに帰りました。
実は先にあげたコールドゲームの取り決めは、パリーグは15年から改正されたもの。したがってこの11年シ-ズンは制覇が確定しても裏の攻撃をしなくてはならなかったのです。フライングではしゃいでしまった松中選手でしたが、結果、裏の攻撃でホークスは得点をあげ、サヨナラ勝ち。悲願のCS制覇に花を添えました。
さて、ホークスは呪いが解けて以降、去年までの6シーズンでCS出場5回、日本一は3回と、まさに黄金時代を築いています。17年もCS出場が決まっているだけに、今年も熱い試合……、と何がしかの珍事を見せてくれるといいですね。