外国人に日本の忍者人気は根強い。ソバのつゆが飛んで服にかかったり、寿司のわさびで鼻がツーンとするなど、ちょっとした災いが起こると「NINJAの仕業だ!」とジョークにして騒ぐとか(笑)。

 

日本忍者協議会のリサーチ(10カ国)によると、「日本にはまだ忍者がいる」と思っている外国人は、約60%もいるそうで、日本で忍者を見たくてスポットを訪れる観光客は年々増えているそうだ。

 

そこで、外国人と忍者についてアバウトに調べてみた。

 

忍者アニメの影響

どうして海外で忍者の知名度と人気が高いのか?

 

1987年~2012年まで米国でTV放送され、映画にもなったアニメ「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」の影響が強いとされる。人間のような姿をした4匹のカメが、日本の忍者の末裔から修業を受けて鍛錬し、悪者やエイリアンをやっつけるというヒーローもので、知らない子どもは殆どいないほどの人気を博した。日本でも放送されていたので知っている人も多いはず。

 

更に、アニメNARUTOが米国をはじめ世界各国で大ヒットしたことから忍者の知名度はアップ。また、日本のテレビ番組「筋肉番付」が米国でNinja Warriorというタイトルで放送されたこともあり、「日本にはまだ忍者はいる」と思い込む人が増えたとも言われている。

 

そうじゃなくても、昔からハリウッドのアクション映画でアジア系の登場人物がいると、その手下として突然相手を襲う戦闘員のように現れたりする。認識が間違っている感もあるが、それだけ忍者にはインパクトが強いのだろう。

 

俊足巧打の青木宣親選手がメジャーリーガーになり、チームメイトがニックネームを決めようと相談した際、「ニンジャがいいんじゃない?」「いいね!」で即座に決定していた。米国で忍者がポピュラーな存在だということを裏付けるシーンだった。

 

もしかしたらなれるかも

また、その昔、忍者は実在していたので架空のキャラクターではないわけだ。時代は変わったが、修行を積めば自分もなれるかもしれないという現実味も手伝っている。

 

というのも、米国で人気のアメコミヒーローには現実味がない者が多いから、とのこと。スーパーマンは宇宙人、スパイダーマンはクモ、超人ハルクは人間離れしたパワーを持つ。ちなみにバッドマンは、あの黒い衣装のルーツが忍者という説もあって人気が高いとか。ただ、バッドマンもスーパーマンも空を飛ぶなど、人間が真似をするには難しいヒーローばかり。(日本もウルトラマンや仮面ライダーなど、アメコミヒーローより現実離れしたキャラがごっそりいるけど)

 

その点、忍者は黒い衣装を着て、背中に刀を背負ったりして、足音を立てずに素早く移動し、手裏剣的な物を投げれば、誰だって成り切ることが出来る。

 

忍者でWelcome

そんな外国人観光客を狙ってか、全国のテーマーパークは増々忍者に力を注いでいるとか。とにかく忍者はむちゃくちゃウケがよく、グッズなども凄く売れるそうである。

 

例えば、新宿歌舞伎町の「手裏剣道場 新宿忍者からくり屋敷」は、忍者の姿をした店員が屋敷を案内し、手裏剣投げや忍術が体験できるなど、外国人や、日本人の親子連れが訪れて大盛況。

 

その他、三重県「伊賀流忍者博物館」、滋賀県「甲賀の里忍術村」、戸隠流で知られる長野県では「チビッコ忍者村」、お侍の時代にまでタイムスリップできるとして人気の栃木県「日光江戸村」、九州で唯一忍者が見られる佐賀県「肥前夢街道」、北海道「登別伊達時代村」・・・など。リアル忍者が見られる娯楽施設の多くは年々観光客が増加中。

 

忍者が足りぬ!

全国で忍者が外国人に人気というその裏側で「忍者不足」という問題が起こっているそうだ。

 

多くのテーマパークでは、忍者によるショーといった劇を披露する。そうなると、出演者が少なくとも5~10人程は必要になる。それを一日に数公演行う。

 

また、パーク内でお客さんを楽しませるために登場したり、サービス接客も行うなど、仕事が沢山あってかなりハードだ。お侍の殺陣技術同様、お客に見せるレベルの忍者役を努めるには結構な稽古が必要なので、忍者の絶対数が足りないと嘆いている。

 

例えば、年間30万人が訪れる北海道「登別伊達時代村」では、一日に忍者ショーを6回行うが、演者は8人で、ステージに出たり、裏方に回って機材を動かしたり、すべてを賄うそうだ。ショーは大人気で公演数を増やしたいが、人が少なくて負担がかかり、やりたくてもやれない状況。去年、忍者アクション俳優募集の動画を作って人員集めに頑張っている。

 

 

他にも、例えば、「伊賀忍者『阿修羅』東京支部」でも、忍者不足につき大々的に募集している。外国人観光客急増に伴う忍者アトラクションの増加と人員が比例していない現状に悲鳴を上げている。こちらでは、定期的に台湾やブラジルなど、海外に忍者公演を行うほど普及に努めているそうだ。

 

Will not you be a ninja?

日本人よりも海外でブームとなっている感のある「忍者」。

 

実際に養成所に通う外国人も居ると聞いたが、いっそのこと、「Will not you be a ninja?」(キミも忍者にならないか?)ともっとアピールして外国人を募ってはどうだろうか。コスプレなどで忍者に扮する外国人はたくさんいるし、本物の忍者になりたいという人はきっと多いと思う。

 

日本人でも数少ない「I am a Ninja!」が世界で増えるなんて素晴らしいことじゃないか。

 

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 キミも忍者にならないか!?全国で忍者が不足中でござる