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炎天下を過ごしていると、顔からも背中からも汗がダラダラ。こうも暑いと、いっそのこと冷蔵庫の中にでも飛び込んでしまいたいという気持ちに駆られます。……が、それは現実問題、無理な話。であれば、体の内側からキンキンに冷やすしかありません。そこで今回は知るだけで暑い夏がス~ッと涼しくなるかもしれない、清涼感たっぷりの「かき氷」豆知識をご紹介します。
かき氷といえば、氷にシロップをかけたものが共通認識ですが、日本で食べたとされる時代をご存じでしょうか?じつはこれ、平安時代にまで遡るといいます。というのも、清少納言の『枕草子』には、かき氷を示すものとして、次のような記述があるのだとか。
『削り氷(けずりひ)にあまづら入れて、あたらしき金鋺(かなまり)に入れたる』(削った氷に甘づらをかけ、金属の器に入れたもの)。「甘づら」(甘葛)とは、冬季のツタの樹液を煮詰めてシロップにした当時の甘味料。当時は貴重品で、平安時代の人にとっては高級品だったといえるのです。
平安時代の人たちがかき氷を食べていたかもしれない。そんな事実を知って、気になった人がいるかもしれないのが、やはり当時の人たちも口一杯に氷をかきこんで耳を「キーン」とさせてしまったのかどうか。この“耳キーン”現象、医学的な正式名称だと「アイスクリーム頭痛」と言います。
現在でも、痛みの原因ははっきりとわかっていませんが、主に次の二つが原因とされています。一つは、三叉神経(さんさしんけい)が「冷たさ」を「痛み」と誤解して、脳に誤った情報を伝えてしまうというものです。もう一つは、冷たいものを食べたことで、血管が急速に収縮と拡張をすることで、頭の中の血管が一時的に炎症を起こすというもの。
ただ、基本的には口の中の温度が急激に下がることが原因なので、温かいお茶と一緒に食べたり、ゆっくり食べることで比較的簡単に防げるといいます。
いざ自宅でかき氷を食べようと思ったけど、あまり美味しく作れなかった……。
この原因はうすうす気づいている人も多いかもしれませんが、氷に差があるからす。たとえば、水道水を冷凍庫で凍らせると、水に含まれる不純物(カルキや塩素、ミネラル)が混ざることで、白くなってしまいます。
理想はミネラルウォーター(ミネラルの含有量が少ない軟水)や、煮沸させた湯冷ましの水を「ゆっくり」と凍らせることがポイントです。これ以外にも、純粋な水部分が先に凍る性質を利用して、“二回冷凍”させる方法があります。
つまり、半冷凍状態のときに、まだ凍りきっていない不純物が混ざった部分を捨て、新たに水を加えて凍らせるのです。さらに、水に少量の砂糖を加えることで、氷のすきまに砂糖が入り、きめ細かい氷がつくれる方法もあります。
かき氷専門店で食べる一杯は格別ですが、あの手この手で自分だけのオリジナルかき氷を作って味わうのも夏ならではの楽しみ方。果汁たっぷりのものから、口に入れた瞬間フワフワとなくなる絶品まで、ぜひぜひ冷たい夏を楽しんでみてください。