終戦記念日前には、戦争や平和に関する絵本が本屋さんに並び、学校の図書館や街の図書館でも特設コーナーが設けられます。そこには、だいたい定番の絵本が並んでおります。その定番の基準というのが「親子で平和や戦争に考えられる絵本」。ということで、分かりやすく、子供にも理解しやすい、いわゆるストレートで堅い絵本がエントリーしております。

 

しかし、なかには、「なるほど、そういう切り口できたか!」「やられた!」とウイットに富んだ大人が舌を巻くような絵本もございます。あるんです!それも、大御所絵本作家さんの作品でございます。

 

そこで今回は、そんな大人絵本愛好家の方に是非一度読んでおいて頂きたい平和・戦争がテーマの大人絵本をご紹介!

 

まずはこちら。

 

「ぼくがラーメンたべてるとき」(作・絵:長谷川義史)

 

小生も大好きなナンセンス系絵本作家、長谷川義史様の作品でございます。すこぶる大胆なタッチの画風とユーモアあふれるストーリーで絶大な人気を誇る絵本作家様でございます。あの「情熱大陸」にも出演されております。

 

長谷川さまといえば、「どこいったん」「ちがうねん」「みつけてん」など、世界的に注目を集めている若手絵本作家ジョン・クラッセン様の絵本の翻訳(関西弁での翻訳)も担当されており、こちらでも有名かもしれません。これまでに数々の絵本を出されております長谷川様ですが、こちらの「ぼくがラーメンたべてるとき」では、日本絵本賞を受賞されております(2008年)。

 

内容はというと、とにかく設定がスゴイのでございます!

 

平和の大切さをいかに身近に説教臭くなく伝えるか、それを120%満たしている絵本でございます。主人公の少年が部屋でラーメンを食べています。その時、隣のネコは…、となりの家では…、となりの街では…、と、自分が平和にラーメンを食べている時に、他の世界では何が起こっているのか?というお話でございます。

 

そして、もう一冊は…

 

「あいうえおの き」(作・絵:レオ・レオニ 訳:谷川俊太郎)

 

こちらは、オランダ出身のアメリカの絵本作家、レオ・レオニ様の作品でございます。レオ・レオ二様といえば、小学校の国語の教科書にも載っている「スイミー」でもお馴染み。ちなみに、「はらぺこあおむし」のエリック・カール様を見出したのもレオ・レオ二様でございます。

 

内容はというと…。副題の「ちからを あわせた もじたちの はなし」、こちらのとおりでございます。木の葉っぱの上にいる文字達が、風で飛ばされたり、集まったり、言葉を作ったり…、そんなお話でございます。木の上を住処とする文字たちが、いかに平和の大切さを紡ぐのか…。是非本を手に取ってご確認くださいませ。

(文:NN昌)

 

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 【終戦記念日】大人が自分のために読んでもらいたい大人絵本