2017年某日 江戸三十三観音めぐり…第六日目


 


なんでこの人は、こうもつまらないことを、さも「面白い事言いました!」ってドヤ顔で言うんだろう? とか、彼はなんで私に親切にするのだろう? さては 搾取する気だな……!とか、ダークサイドに堕ちる前兆を感じたので観音巡りで浄化してもらおうと、第六日目を決行しました。


 


※そんなわけで、本日は札所12、13、14をめぐります。(移動距離が比較的長い…)


12か所目…『傳通院』(札所第十二番)



 


鈍色の心模様のように空は、くしくも曇天……。


 


最初のお寺は、東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩11分。または、都営地下鉄大江戸線「春日駅」徒歩11分の場所にある。どちらも時間的に変わらなそうなので、後楽園駅を選択し、とぼとぼと歩く。


 


春日通り伝通院前交差点を右手に入ると大きな門構えが現れた。これが『傳通院(でんづういん)』。


 



 


おおっ荘厳!



 


境内は緑豊かで壮大。第一のお寺でお参りを済ませダークサイド堕ちそうな心がやや洗われる。


 



で、頂いた御朱印と今日ももらっちゃいましたご褒美お菓子!


 


お参りも終わったことだし、さっさとお暇しようと次のお寺への交通機関を調べる。どうやらすぐのところに都バスの停留所があることを確認。しかも待ち時間も数分ではないか!(こりゃ調子いい)と、ふとスマホから顔をあげると……


 



 


ンンン!!!???


 



 


なんと!? 浪越徳治郎発見!!


 


そう!「指圧の心は母心、押せば命の泉わく。あ~はっはっはっ~」の名台詞で有名な指圧医療の創始者・浪越先生が設立した専門学校があるのだ。レジェンドバラエティー番組「元気が出るテレビ」世代の私にとっては、夢中で撮影せざるお得ない。しかしその時、背後で


 


ブロロロロロロッ……


 


けたたましいエンジン音とともにバス発車。…………あああっ!!!


 


走って追いかけても遅い。しかも新品の靴で足も痛い。結局、乗り過ごす。お参りしたにもかかわらず暗雲立ち込めるスタート。仕方なく徒歩で最寄りの駅を探すことにした。


 


もう帰りたい……念仏のように何度も唱えながら歩くこと20分。メトロ「江戸川橋駅」に到着。ここから有楽町線「護国寺駅」へ向かう。


 


13か所目『護国寺』(札所第十三番)


護国寺駅を出てすぐに次の目的地がある。


 



 


でかい! これまで出会った寺のどれよりもでかい。そして門をくぐるとすぐに喫煙所。タバコ吸いの私にとっても優しいお寺。


 



 



境内には長い階段、そしてこの日は兄弟かな?とおもわれる2匹の猫が出迎えてくれた。


 



 


そして本堂へ。


 



 


お寺然とした厳かな雰囲気。本来私のような鼻つまみ者は近寄ることすら許されない場所である。しかし今回は、観音様も見逃してくれるだろうとこっそりお参り。気まぐれにおみくじを引いてみる……


 


大吉!!(なんだか、皮肉なものである)


 



 


御朱印をもらいに寺務所に向かう。(やや迷うので注意)


 


大吉出現のお陰様で気分も高まり、いざ、本日最後のお寺『金乗院』へ!と、思ったところで目の前の通りを、ガッーーーーーー!!!と、何かを引きずる音を立てて走るベンツがゆく。


 


眺めていると、途中で引きずる物を振りほどいた車は異変に気付いたのか停車。降りたマダムが車の下を覗いている。ふとその車が通った道路に目をやると、振りほどいた物体を発見。


 



 


鞄である。


 


こ、これは業を落とすには最適とばかりに、善行を積むべく鞄を拾い上げマダムのところまで走る。


 


「引きずっていましたよ?」


 


鞄を差し出すと「それ、引きずってたのか。私のじゃないわ」と、冷たくあしらわれた。


 


ブロロロッーーーー


 


…………


 


鞄を手にしたぼんくらぼっちである。結局、鞄を交番まで届けていろいろ手続きをする羽目に。なんだかんだで手元の資料によると『金乗院』が御朱印を締め切るまで残すところ1時間も無い。急いで向かう……


 


14か所目『金乗院』(札所第十四番)


人生初の都電に乗って「荒川線・雑司ヶ谷駅」下車。(ルートによっては学習院下駅が良いかも知れない)


 



 


駅からとぼとぼ歩くこと10分。やっとたどり着く。


 



 


17時まで受け付けだが、時計はすでに10分前。間に合いそうもないと思ったが、ギリ到着。善行を積んで良かった!これも観音様のお導き。お参りをサクっと済ませ寺務所のインターホンを押す。


 


……無反応。たまにこういうことがあるのでもう慣れっこ。電話を入れてみると、すぐに出てくれた。丁寧に御朱印のことを尋ねると……


 


「16時ごろまでですね」


 


……なるほど。もうずいぶん前に間に合ってなかったわけか。ツキが無さすぎる。お参りをしようが大吉をひこうが善行を積もうが、わたしのカルマが祓えていないことに愕然とする。前世でいったい何をしたというのか……。


 


もんもんとしながら、もう絶対に落し物は拾わない!と決意し、帰路についた。


 


その七につづく…


情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 不信心だけれども江戸三十三観音をめぐる。男の御朱印集めの旅 ~その六~