先日、女優の大政絢様が自身のInstagramで、親友の佐々木希様のすっぴん写真を披露して話題になっておりました。

 

Instagramより @aya_omasa_official

 

今や、女性芸能人たちの中でブログ、インスタグラム、Twitterなどに自身のすっぴん画像を掲載することが定番となっておりますが、実は絵本のなかにも、すっぴん絵本があるのをご存じでしょうか?

 

小生の知っている限りでは、この1冊だけではないかと…。

 

「ようちえんがばけますよ」(文:内田麟太郎 絵:西村繁男)

 

こちらは、絵本ファンなら知らない人はいない大御所作家同士のコラボ作品でございます。この作品の他にも、「おでんざむらい」「おばけでんしゃ」「がたごとがたごと」など数々のヒット絵本をコンビで出されております。

 

この「ようちえんがばけますよ」は、ある幼稚園が舞台。幼稚園の庭にいるキツネが呪文を唱えると、幼稚園が変身するというナンセンス絵本。何に変身するのかというと、例えば、昆虫や魚、お化け、さらに骨だったり…。

 

幼稚園の校舎自体も昆虫やお化けに変身するのですが、幼稚園の中や庭で遊ぶたくさんの子供達も、それに合わせて昆虫やお化けに変身します。例えば、幼稚園が昆虫に変身した場合は、蝶々に変身する子もいれば、カマキリに変身する子、クワガタに変身する子も…。それを一人ずつチェックしているだけでも楽しいのでございます。1ページで何分間でも楽しめるのでございます。

 

で、この絵本のどこが「すっぴん絵本」かというと…

 

実は、途中に「ラフスケッチ」、つまり下書きのままのページがあるのでございます。色も塗られていませんし、鉛筆描きで、メモ書きなども残っております。もちろん、チェック漏れとかではなく、あえて完成前の段階の絵を採用しているのでございます。20123月に出版されておりますが、日本初の試みだそうです。

 

先日、国際子ども図書館で行われたお二人の対談でも、このラフスケッチのエピソードが語られておりました。内田様が、あるイベントで西村様のラフスケッチが展示されているのを見て、「これは面白い」と思ったのがきっかけだったとか。

 

しかし、プロの絵描きが化粧前の絵を載せるわけがない、絵描きさんは嫌がるだろうと内田様も最初は思ったそうです。ところが、当時の二人の関係は、内田様いわく、SとMの関係、内田様が無理難題を出し、それを喜んで受ける西村様。そんな西村様だったら、ひょっとしたら受けてたってくれるのではないかと…。

 

そう思った内田様が西村様にオフォーし実現に至ったのが、この「ようちえんがばけますよ」という作品でございます。一方、西村様は、このページの絵について、「本当のラフではないですよ。原稿のラフなんです。もともとのラフは、もっと分かりづらいです。実は少し化粧しているんです」と、答えていらっしゃいました。

 

一部のグラビアアイドルの方も、すっぴん公開と言いつつ、実はすっぴん風化粧をしているという話を聞いたことがありますが、まさに、その絵本版でございます。興味を持たれた方は、とても貴重な絵本でございます。是非是非、ご体験くださいませ。(文:N田N昌)

 

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 インスタ・ブログだけでない!絵本ファン必見「すっぴん絵本」の正体とは?