今年の高校野球界の注目といえば、早稲田実業の清宮幸太郎選手。この記事を書いている5月22日時点で高校通算歴代3位となる95本塁打を放っています。これだけ多くの本塁打を打っているのだから、プロへいったらものすごいホームランバッターになるだろうと期待されていますが、果たしてそうなるのでしょうか? 

 

高校時代は長距離砲として鳴らした選手もプロへ進むとまた違った個性を発揮する打者もいます。そこで今回は『高校時代はホームランバッターだったのにプロ入りしたらいぶし銀になった選手』を紹介します。

 

今宮健太選手(ソフトバンク)

 

大分の明豊高校で3番打者を務めていた強打者。3年時の夏の県予選では3打席連続ホームランを放つなど、高校通算62本塁打のスラッガーでした。

 

ドラフト1位でソフバンに入団すると2016年までの6年間で通算本塁打は27本。シーズンでは10本塁打が最多。一方で13年から2年連続で62犠打を達成するなど、通算218犠打。そして守備ではゴールデングラブ賞4回とチームになくてはならない選手に成長しました。

 

ソフバンといえば中村晃選手も帝京高校時代は1年生の頃から不動の4番として注目を浴びていました。プロになると3年連続3割を打つなど中核を担い、本塁打は6年間で17本。

 

炭谷銀二朗選手(西武)

 

長らく西武の正捕手の座を守る銀二朗選手。平安高校時代は満塁で敬遠されるという経験もするなど強打で有名な選手。通算は48本塁打。西武に入団し11年間で本塁打は26本。シーズン通して100安打を超えたことはいまだなく、打者を評価するOPS(出塁率と長打率から算出される指標)は.520で桑田真澄元投手の.537より低いです。

 

また西武といえば栗山巧選手も育英高校時代は通算47本を記録するパワーヒッター。プロになるとシーズン3割超えは幾度もありますが二桁本塁打は5回で通算は77本です。

 

實松一成選手(巨人)

日ハム、巨人で正捕手を支える控えのキャッチャーとしてなくてはならない存在の實松選手。プロ16年で通算20本塁打ですが、佐賀学園時代は強打者で通算39本塁打。松坂世代でNo1キャッチャーと注目され日ハムがドラ1で獲得しました。

 

西岡剛選手(阪神)

ロッテ時代は最多安打や首位打者を獲得した俊足のアベレージヒッター。メジャーを経験し、現在は阪神に在籍。プロ14年で通算61本塁打。強豪・大阪桐蔭時代は通算42本塁打のスラッガーでした。

 

高校通算本塁打とは?

以下がトップ10です。

 

1位 107本/山本大貴選手/2012年/神港学園~JR西日本

2位 97本/黒瀬健太選手/2015年/初芝橋本~ソフトバンク

3位 96本/清宮幸太郎選手/2017年/早実

4位 94本/伊藤諒介選手/2010年/神港学園~法大~大阪ガス

5位 87本/中田翔選手/2007年/大阪桐蔭~日ハム

6位 86本/大島裕行選手/1999年/埼玉栄~西武

7位 85本/横川駿選手/2011年/神港学園~立命館大~王子

8位 83本/鈴木健選手/1987年/浦和学院~西武~ヤクルト

8位 83本/中村剛也選手/2001年/大阪桐蔭~西武

10位 73本/岡本和真選手/2014年/智弁学園~巨人

 

ご覧のようにプロ選手になった人は多いもののタイトルを獲ったのは中村剛也選手だけ。中田翔選手もいずれ獲得しそうな逸材ではあります。ただ一人の100本越え山本選手は、そもそもプロ志願をせず社会人の道を進みました。その理由は、プロの速い球に対応できない自覚があり、さらに父がいない環境で母に無理を言い私立の高校に通わせてもらったため堅実な道を選んだとのこと。ボーナスは母に全額仕送りしているという親孝行な人物でもあります。

 

逆に高校時代ホームランが打てなかったのに…

 

小笠原道大さん(日ハム~巨人~中日)

プロ通算19年で30本以上のホームランを記録したシーズンは10回(タイトル1回)、首位打者も打点王も獲得した球界屈指の強打者でした。

暁星国際高校時代は全くの無名でホームランも0本、全く打てなかったそうです。

 

掛布雅之(阪神)

言わずと知れたミスタータイガース、通算本塁打349本でタイトルを3度獲得したスラッガー。しかし習志野高校時代は本塁打0。当時阪神を支えた田淵選手が移籍してしまったため、これをきっかけに掛布さんは肉体改造し打撃開眼したそうです。

 

さて、今回参考にした高校時代のホームラン数ですが、これは公式戦+練習試合+招待試合で記録されたもの。つまりその高校の練習試合数やグランドの大きさにもよるので一概に高校時代の記録がそのままプロへの指標になるかといえば難しいところです。

 

「高校時代はあんなにホームランを打っていたのに…」と思いがちですが、プロの世界は天才が集まり天才が投げ抑えている場所。その中で選手でいるこということだけでも才能の塊。さらにその中でも傑出しているイチロー選手(高校19本)や柳田悠岐選手(高校11本)は、次元が違うのだと思います。

 

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 高校時代はホームランバッター!プロ入りしたらいぶし銀になった選手たち