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2017年に入って、ロシアで14歳の少女が電車に飛び込み自殺。
次の日、15歳と16歳の少女の友人2人がアパートから投身自殺。
更に翌日、15歳の少女がアパートから飛び降り、瀕死の重傷を負った。国土の広いロシアとはいえ、立て続けに若い女の子の自殺が相次ぎニュースとなった。
偶然なのか、連鎖なのか?ロシア州警察の捜査で浮かんできたのは、その少女全員がロシア最大のSNSサイト「VKontakte(通称:VK)」内にいくつかある「自殺グループ」に参加していたこと。
更に調べたところ、同様の若者が2015年11月~2016年4月というわずか半年の間に130人自殺していたことがわかった。それは未成年者の自殺率が56%もアップしているという異常事態だ。
いったい、ネット上で何が行われていたのか!?簡単に言うと、SNSのゲームに参加したことで洗脳され自殺に追い込まれたのだという。ロシアのオンラインコミュニティには、1500以上の自殺願望者が集うグループがあるそうだ。
一体、どんなふうに洗脳されてしまうのか?
誰もが最初は興味本位でサイトにアクセスしてしまうのだろう。その画面から刺激を受けるわけだ。
詳しくは記せないが、グループの運営者たちは心理学に精通していて、女子に対しては容姿に対するコンプレックスを刺激し、男子に対しては自分が負け犬であると思い込ませる。これは推測だが「そんなキミがこんなことできねえだろ?」、または「そんなキミでもやれることがある」と等と言って焚き付けるのではないだろうか。とにかく、相手にこんなメッセージを発信するのが導入部。
そこから徐々に映画やドラマで見るような、或いはゲーム的な感覚に心頭を入り込ませて、非現実と現実の世界の隔たりを無くしてゆく。そして最後には、「死を美化」するよう洗脳させるらしい。そこには次々に課題をクリアしてゆくという「自殺ゲーム」があるのだ。
課題:例)
・腕と足にナイフなどでクジラの形を刻む
・指定された特定の音楽だけを聴く
・毎日ホラー映画を見る
・飛び降りに適した高いビルを見つける
・午前4時20分に起きる
・指令開始後 50日目に自殺する
報道によく載っているのは以上のようなもの。サイトによって課題は様々あるようだが、このゲームに参加し、指令を1つクリアするとサイトに書き込む。リアクションが返るとどこか優越感に似た快感があるのではないだろうか。こうして最後の課題をクリアさせるため自らの命を絶ってしまう。
これは、いわゆるカルト集団などで用いられるマインドコントロールと同じなのだそうだ。
この自殺ゲームで少なくとも80人の命を奪ったとされるのが、SNSサイト『Blue Whale(シロナガスクジラ)』。シロナガスクジラは自ら陸に打ち上げて自殺するとされているため、他の自殺サイトでもクジラを名前に使うところが多いそうだ。
事態を重く見た警察は、『Blue Whale』の21歳の管理者が逮捕。報道も広まったため、その後の未成年者の自殺件数は減少しているという。ただ、疑問なのは、こんなことをして何の得があるのか?ということ。自分の力を試したい、支配者の気分を味わいたい、世間を騒がせたいと言った愉快犯的な部分もあるだろうが、実際は「金儲け」らしい。
「VK」は、アクセス数が多いサイトにはお金が支払われる仕組みになっている。若者の情報力の高さ、速さ、爆発力を利用したわけだ。
逮捕された管理者は「死んだ子はマジになりすぎたというか、悪ふざけが過ぎたのだと思う」と語ったそうだが、12歳の男子が線路に飛び込む自殺を行った際は、それを見ている者がSNSで実況していたという。ゲーム感覚なのか、本当の命にリセットボタンがないことに気付いていない。
この自殺ゲームサイトは、ロシアでは政府が規制をかけたそうだが管理が行き届かずまだまだ残っている現状。また、欧州やアジアではこれを真似たサイトを立ち上げる輩が増えているそうだ。シャレにもならない。
ロシア全土で自殺ゲームが世を賑わせる中、なんとも物騒で壮絶なテレビ番組が企画され物議を醸した。
タイトルは『Game2:Winner』。
出典:https://game2winter.ru/
2月にネット上を揺るがせた。飛び込んできたのは、「シベリアの荒野で生死をかけたサバイバルゲーム」「人殺し、強姦、ルール無用」という物騒な見出し。そんなテレビ番組が制作されていいのか!?調べてみた。
番組概要)
参加者は18歳以上の男女30人。マイナス40℃にもなるシベリアの荒野に放たれ、約10ヶ月自給自足で生き抜くサバイバルゲーム。
番組は7月スタート。プレイエリア900ヘクタール(東京ドーム192個分)に2000台の定点カメラを設置、更にプレイヤーが持つカメラから映像が生配信され、専用サイトから24時間視聴が可能となる。帯同スタッフ、撮影クルーなどはいない。
最後まで生き残った者には、日本円にして賞金2億が与えられる。複数人の場合は山分けとなる。
簡単に言うとこんな感じなのだが、ひっかかるのは、本当に人を殺すことが許されるのか?実は、見出しほどノールールではないようだ。まず、参加する際には、2つの重要な誓約事項がある。
「番組中での犯罪が発覚した際には、その逮捕に応じること」
「番組中に本人が死亡しても、番組側は一切の責任を負わないこと」
番組制作側は「暴力、飲酒、殺人、暴行、喫煙などそのすべてが可能である」と言いつつも、「ただロシアの法律に基づいて、警察に捕えられるのも留意しなければならない」と説明している。
裏解釈をすれば、カメラに写っていなければ、証拠が何も見つからなければ、何をしたっていいってことだ。プレイエリアには狼や熊などの獰猛な動物が生息する、そんな動物に襲われたように見せかけることができれば殺人も可能なのかも。ちなみに銃はNGだが剣は所持可能というルールだそうだ。
これはテレビ番組なわけで、視聴者との連動企画もある。人気投票的なことが行われ、応援するプレイヤーに生き抜くためのアイテムが支給されるとのこと。殺人に利用されるようなごっついアイテムを贈ったら視聴者が事件に加担したとも受け取れかねない。
ちなみに、募集から選ばれたプレイヤーは、ロシアの特殊部隊要員からサバイバル訓練を受けなければならない。また、プレイヤーは途中棄権も認められる。
このようなルールのテレビ番組に対し、ロシアはもちろん、世界から“いかがなものか”と物議になっている。ただ、決して暴力を推奨し殺し合いも辞さない人間の魑魅魍魎を描く番組ではない。あくまでも、極寒のシベリアでいかに10ヶ月間生き延びられるか?という生命力を見るドキュメントバラエティなのである。既に250名以上の果敢なサバイバー志願者がいるという。もちろん女性もいるそうだ。日本人がいるかは不明だ。
なんでもロシア人は、「危険遺伝子(恐怖を感じるための遺伝子)が少ない」と聞いたことがある。日本人と比べて死の意識のハードルがいささか低いのかもしれない。自爆テロを平気で行う集団より高いとは思うが。