人気絵本シリーズ「くまのがっこう」は、今年で15周年を迎えます。オリジナルシリーズ14作品、関連絵本6作品、シリーズ累計発行部数は210万部超。日本を代表する絵本キャラクターでございます。

 

 

念のためご説明すると、ジャッキーをはじめとする12匹のくまのぬいぐるみの子どものお話です。11匹の優しいお兄ちゃんと、いたずら好きな末っ子の女の子ジャッキーの何気なくも心が温まる暮らしぶりを描いた作品でございます。

 

絵本の文を担当しているのは、「くまのがっこう」の仕掛け人でもある、あいはらひろゆき様でございます。株式会社「キャラ研」の代表もされております。

 

そして、絵を担当しているのは、あだちなみ様。当時、2人は一緒にお仕事をされていましたが、あだち様は、まだデザイナーでイラストレーターとしてのキャリアはありませんでした。しかし、あだち様のテディベア好きを知っていたあいはら様が、「くまの絵を描いてみないか」と声をかけたのでございます。そこで、あだち様が描いて持ってきたのが、くまのぬいぐるみの子どもが並んだ絵だったのです。これが「くまのがっこう」の設定が生まれた経緯でございます。

 

そんなこんなで15年。東京・松屋銀座では15周年を祝う「くまのがっこう展」が開催され、さらに、この夏には2作目となる映画も公開予定でございます。

 

出典:http://jackie-exhibition.jp/

 

そんな「くまのがっこう」シリーズ、人気の理由は、なんといっても主人公が多いとことではないかと…。大人と違い、子供は絵をしっかり見ます。「あっ!ここに○○ちゃんがいたよ!」と、ちゃんと12匹を確認しながら読み進めるのでございます。大人は文章にばかり気をとられてしまいますが…。

 

そんな発見、確認作業が幼い子供にはたまらないのでございます。主人公の多い作品には、シリーズ化される超人気絵本が多いのも、そのせいではないかと…。

 

例えば、世界でシリーズ1000万部のロングセラー絵本「14ひきのシリーズ」も、大きな森の木を改造した家に住む14匹のねずみ一家の絵本でございます。

 

余談ですが、作者のいわむらかずお様と「はらぺこあおむし」で有名な絵本作家エリック・カール様の共作絵本『どこへいくの? To See My Friends!』の原画が、東京・世田谷美術館で開催中のエリック・カール展で展示中でございます。

 

 

さらに、馬場のぼる様の“とらねこ大将”率いる11匹のネコたちの冒険物語「11ぴきのねこ」シリーズも累計部数400万部突破のロングセラー絵本でございます。

 

 

最近のモノでは、今年のMOE絵本屋さん大賞で、シリーズ第3弾の「ノラネコぐんだんおすしやさん」が3位になった工藤ノリコ様のいたずら好きな8匹の黄色いノラネコたちが大暴れする「ノラネコぐんだん」シリーズも20万部突破の大人気絵本でございます。

 

これを機会に「くまのがっこう」シリーズをはじめ、主人公が大人数の人気のシリーズ絵本を子供目線で一度読まれてみてはいかがでしょうか。新たな発見があるはずでございます。

 

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 「くまのがっこう」がロングセラー絵本になった理由