「フルーツ王国やまなし」を代表する新たな赤ぶどうが、老舗和菓子の技と出会った。山梨県、宗家 源 吉兆庵、JA山梨中央会は9月4日、山梨県オリジナル品種「サンシャインレッド」を使った新商品「陸乃宝珠 サンシャインレッド」の発表会を開催した。


8月21日に発売された同商品は、鮮やかな赤色と華やかな香りを持つぶどうを丸ごと一粒使用。会場では、15年をかけて生まれた果実の特徴や、求肥で包む商品開発のこだわり、県産果実の新たな価値を届ける三者連携の狙いが語られた。


15年かけて誕生した山梨県オリジナル品種「サンシャインレッド」



サンシャインレッドは、山梨県育成品種「サニードルチェ」と「シャインマスカット」を掛け合わせて誕生した山梨県オリジナルのぶどうだ。


「皮ごと食べられる赤系品種を作ってほしい」という生産者や市場の声を受け、山梨県果樹試験場で開発。毎年100個体以上の果実調査と選抜を重ね、15年もの歳月をかけて誕生した。2022年に品種登録され、2023年には「サンシャインレッド」の名称が商標登録されている。


鮮やかな赤い果皮と大粒の果実が特徴で、皮ごと食べられるほか、濃厚な甘さとほどよい酸味、華やかなマスカット香を楽しめる。2025年度には約80tが出荷され、今後さらなる生産量の増加が期待されている。


丸ごと一粒を求肥で包む「陸乃宝珠」に



サンシャインレッドの新たな魅力を引き出したのが、宗家 源 吉兆庵の「陸乃宝珠」だ。


「陸乃宝珠」は、生のぶどうを丸ごと一粒、薄い求肥で包み込む果実菓子。果実は形やサイズが一粒ずつ異なるため、職人が手作業で包み上げている。


今回使用するサンシャインレッドは、鮮やかな色だけでなく、口に入れた瞬間から後味まで続く華やかな香りが特徴。一方で果皮が非常に薄く、和菓子に仕立てる際には繊細な扱いが必要だったという。



炊きたての求肥が厚すぎると果実に負担がかかるため、宗家 源 吉兆庵ではサンシャインレッドの香りをしっかり感じられるよう、求肥を極限まで薄く包むことにこだわった。


薄い果皮と求肥がなじむことで、果実と和菓子の一体感を楽しめる仕上がりになっている。


生産者と和菓子職人、“2つの匠の技”が融合



今回のコラボレーションが動き始めたのは、2025年11月に山梨県の長崎幸太郎知事と宗家 源 吉兆庵の岡田代表が面会したことがきっかけだった。


岡田代表が山梨県産果実に高い関心を示したことから、JAグループ山梨も加わって商品化を検討。「サンシャインレッドの魅力に新しい価値を加えて発信したい」という山梨県の思いと、果実を生かした菓子づくりを手がける宗家 源 吉兆庵の技術が結びつき、「陸乃宝珠 サンシャインレッド」が誕生した。



長崎知事はサンシャインレッドを、山梨県が県を挙げて開発した「最終兵器」と表現。生産者と和菓子職人、それぞれの「匠の技」が掛け合わさることで今回の商品が生まれたと期待を寄せた。



また、JA山梨中央会の小池一夫会長も、これまで生鮮果実として届けることを中心に考えてきたとしたうえで、加工によって生まれる新たな味わいに驚いたとコメント。「生食でよし、加工してよし」と、サンシャインレッドの可能性を語った。


山梨県産果実の新たな魅力を和菓子から発信



「陸乃宝珠 サンシャインレッド」は、山梨県が長年かけて育成してきた新品種と、宗家 源 吉兆庵が培ってきた和菓子づくりの技術を組み合わせた商品だ。


岡田代表は、山梨県産果実を使った商品を全国だけでなく海外へ届けることにも意欲を示している。


生果としてのおいしさはもちろん、和菓子という新たな形で魅力を届ける今回の取り組み。山梨県、JA、菓子メーカーの連携によって、県産果実の楽しみ方はさらに広がっていきそうだ。


宗家 源 吉兆庵公式サイト:https://www.kitchoan.co.jp/

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 山梨の“赤い宝石”が和菓子に!「陸乃宝珠 サンシャインレッド」に込めた三者の挑戦