文部科学省アントレプレナーシップ推進大使であり、株式会社カナミックネットワーク・代表取締役社長の山本拓真さんが、10月16日に東海大学品川キャンパスにて「起業を通じた社会課題の解決」と題された講演を実施。会場には、東海大学付属高輪台高等学校2年生(約450名)が集まり聴講した。

文部科学省では、スタートアップ創出の基盤となる人材を更に増やすとともに多様性を高めていくため、アントレプレナーシップ教育を小中高生に対しても実施し、子どもたちが起業経験者との交流などを通じて、起業やチャレンジ精神を身近に感じ、積極的に行動できるようになることを目指している。

山本さんは1996年に高輪台高校を卒業。今回は卒業生として、そして上場企業の代表取締役社長として在学生たちの前で講演を行った。現在の仕事などについて山本氏は「2018年7月に、東証一部ですね日本で1番最上位の上場グループに属するところに上場しました。私は、医療介護系のソフトウェアの会社を経営していますが、競合が250社くらいの中で、唯一私が東証一部に上場したので、そういう意味では1つ伝説を残したのかなというところです」と紹介した。

生徒も参加型の講演にしたいということで、生徒たちに向けたリアルタイムアンケートを実施。質問の内容は「将来の職業」で、生徒たちはその場でスマートフォンで回答することに。回答者が397名になった段階での1位は公務員(23.7%)、2位は社長・経営者(18.6%)、3位が会社員(16.4%)などの結果になった。

この結果を受けて、山本さんは「私の実は密かな夢がございまして。上場社長になりたいって人を1位にするというものです。上場社長は、こんなに良い仕事はないと心から思っていますので。残念ながらまだ公務員に負けてるというとこですね」と目標を語った。

次に、世界や国内の起業家たちの資産を説明していった。世界のトップ3の資産家として、イーロン・マスクが36兆円の資産、ジェフ・ベゾスが29兆円、マーク・ザッカーバーグが27兆円とし、国内では、ユニクロで知られるファーストリテイリングの柳井正は5兆9200億円の資産がある、などと伝えた。また、「実は世界の富裕層のトップ層というのは、ほぼ全員起業家で、かつ上場企業の社長であるというのが実態のほとんどです」と解説。

さらに、「日本の資産家の各階層の構成プレイヤー」と題したスライドを提示し、山本さん自身の階層はブリヂストンの石橋寛、ビートたけし、イチローが属す100億円~500億円未満だと発表し、それを聞いた生徒たちは「え~!」と驚き会場がどよめいた。

資産以外にも学歴や年齢、世代といった点で起業家たちを提示していったが、高校生が属するZ世代の範囲に含まれる起業家で上場している人はほばいない、とした。だが、最近上場した一人としてスキマバイトのタイミーの代表取締役である小川嶺を挙げ、「皆さんが目指すべきはココです!」と注目させた。

また、ソニーやホンダ、パナソニックなどの今や大企業となっている企業を引き合いに出し、はじめは小さなベンチャー企業だったとして、成功した企業や上場企業にどういう経緯でなっていったか、などを説明。

これらの山本さん自身の経験をもとに普通の学生であっても起業家になれるという点や、大企業も最初は小さなベンチャー企業だった、などの話がされた後に改めて「将来の職業」を質問するリアルタイムアンケートが行われた。

二度目のアンケートでは、一度目で2位だった社長・経営者が1位(51.6%)となり、今回2位に下がった公務員(12.1%)に圧勝する結果となった。講演後には、山本さんのもとに起業についての質問をしに来る生徒も複数人いた。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 高校生の「将来の夢」1位は公務員から起業家へ。上場企業社長が高校生たちに起業の魅力を語る