- 週間ランキング
近年、世界的な成長を続けているサプリメント市場。皆さんの中にも、普段からサプリメントを愛用しているという方は多いのではないでしょうか。
広く普及しているサプリメントですが、サプリメントに対する考え方は国によって違いがあります。今回は、医学・健康科学の博士である永田孝行氏監修のもと、日本とアメリカでのサプリメントに対する考え方や、アメリカのサプリメントの品質基準と安全性の高さについて紹介していきます。
・日本のサプリメントはあくまで「食品」
日本におけるサプリメントは全て「食品」とみなされます。そのため内容成分の表記だけで含有量までは表示義務が無く、商品の選択はパッケージや広告効果に大きく左右されることとなってしまいます。
日本ではサプリメントで健康管理をするという考え方の人は少なく、医薬品に頼る傾向があります。 また、日本のサプリメントは食品扱いゆえに厳格な規定がなく自由に製造販売できるので、健康に支障がない程度の粗悪品や欠陥品が混入する可能性も否定できません。
・アメリカでは日常生活に積極的に取り入れられている
アメリカでは日本のような健康保険制度がなく保険料も高額なので、多くの人は保険に加入していません。また、医療コストも年々上昇していることから、人々はサプリメントや健康食品を摂取して健康を維持しようとする傾向があります。
また、健康への関心度が高まっていることで、医療従事者からも健康のためのサプリメントの摂取がすすめられています。
国際食品情報協議会の調査によると、回答者の 65%が食品を購入する際に栄養素分析のラベル表示を確認し、50%以上が健康維持のために何らかのサプリメントを摂取しているというデータが出ています。
日本では「食品」というカテゴリーに位置づけられるサプリメントですが、アメリカでは医薬品寄りに位置づけられており、「GMP」と言う厳格な品質基準が義務付けられています。
GMP とは適正製造規範(Good Manufacturing Practice)の略称で、原料の搬入から、製造・出荷までの全過程に於いて安全で一定基準の品質が保持されるように定められた規則。生産機器・設備・管理から品質システムの構築や品質リスクマネジメントの整備、販売後にも抜取検査で厳重に管理する規定があります。
米国の FDA (日本での厚生労働省にあたる政府機関)に定められている品質基準は「cGMP:current Good Manufacturing Practice」と表記され最も厳しく定められています。「c:current(現在の・最新 の)」が付けられることで「安全・品質の基準は移り変わるので常に更新しなくてはならない」という考えの下、最新基準で監視されるため安心・安全が保たれています。
GMP の設定・管理は世界一厳しいと言われる米国のFDAが担っていて、安全・承認の最終審査を経て DSHEA(ダイエタリー・サプリメ ント健康教育法)に登録された後にサプリメントとして市販されます。そのため、アメリカの基準で作られたサプリメントは非常に高い品質であるといえます。
アメリカの全てのサプリメントには内容・成分値の表示が義務付けられており、ラベル表示を確認することで苦手な成分やアレルギー及び宗教上の理由などによっても適正なサプリメントを選択することができるのです。
これからますます様々な種類のものが出てくるであろうサプリメント。適切な品質のものを選べるよう自身の知識、判断力を鍛えておきましょう。