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同賞は、「より明るい今日とより良い明日に向けて、健全な社会と地域社会、そして国民のクオリティ・オブ・ライフの向上」に貢献し、一人でも多くの助けを必要とする方に救いの手が差し伸べられる社会づくりを目指して、献身的な努力と地道ながらも尊い活動を続けてきた個人を顕彰することを目的に創設された。
第19回目となる今回は、この創設当初の理念のもと、「健全な社会は、誰かの努力によってつくられる」をテーマに、「教育部門」、「ボランティア部門」、「医師部門」、「医療・看護・介護従事者部門」、および「パイオニア・チャレンジ部門」の 5部門から6人が受賞した。
「子供の代弁者となる冊子を作成し、園や学校で筋無力症への理解を促す」といった活動をしてきた恒川礼子さんは、「ボランティア部門(国内)」で受賞。
恒川さんは、受賞後のスピーチにて「私は重症筋無力症という病気で、2001年に病気が確定診断されました。筋無力症は0歳からもなります。私は保育に関わっていたこともあって、子供の活動に興味がありました。お母さんの話を聞いていると、たくさんの悩みがある。お母さんたちは『なんで丈夫に産んであげられなかったんだろう』『自分のどこが悪かったんだろう』というたくさんの不安を抱えながら生活しています。
また、自分の体について悩む筋無力症の子供がたくさんいます。子供たちのそういう気持を理解して、代弁するのは大人の役目です。病気でどうしていいか困っている子供への応援、助言を普通にできる世の中であればいいなと思っています」と、今までの体験を振り返りつつ語った。
つぎに、「のべ100万人の高齢者を対象にした大規模研究で、健康格差に挑む」といった研究や活動が評価され、近藤克則さんは「パイオニアチャレンジ部門」で受賞。
近藤さんは「高齢者の調査を繰り返してきてわかったことがありました。幸せになる要因、あるいは認知症にならない要因を紹介します。最近、笑うことは良いことだと聞くことが増えていませんか?普段笑ってない人は笑ってる人と比べて、要介護認定を受ける確率が1.4倍も多いと、世界に先駆けて公表したのが私たちです」と説明し、会場に向かって「一人でいるときの方がよく笑う人はいますか?」と聞くと、会場から笑いが起こった。そして、「誰かと一緒にいるときに笑う人は?」と聞くと多くの方が挙手した。
それを受けて、近藤さんは「人間というのは社会的動物なんです。だから、地域社会や社会全体とセットで研究すべきなんです」と日本老年学的評価研究(JAGES)の活動で得た知見を紹介した。
その他に、「教育部門」で萱間真美さん、「ボランティア部門(国際)」で井津建郎さん、「医師部門」で堀部敬三さん、「医療・看護・介護従事者部門」で林田奈緒美さんが表彰された。