奨学金返済に苦しむ若者に支援する「#奨学金返済 支援プロジェクト」が発足。それに先駆けて、10月10日に都内で発表会が開催された。公益財団法人公益推進協会の代表理事を務める福島達也氏をはじめ、アディーレ法律事務所の代表弁護士を務める鈴木淳巳氏、アディーレ法律事務所の島田さくら氏、ゲストにお笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳、タレントの貴島明日香、俳優の白本彩奈が参加した。

アディーレ法律事務所は、借金問題をどこよりも多く担当してきた実績から、本プロジェクトのスタートを決意。「何もしないからの解放」モットーに、奨学金制度を利用した若年層を助成していくという。

アディーレ法律事務所の島田さくら氏は「お金の悩みが若年層にも及んでいる。世の中の景気や社会情勢の変化、新型コロナウイルス、自然災害、疾患や介護により奨学金の返済が負担になっている現状がある」と若年層が金銭事情に窮困している実情を説明した。

本プロジェクトでは、奨学金返済中の全国の20歳から30歳の男女を対象に、奨学金に関するWEBアンケート調査を実施。3人に1人が何らかの夢をあきらめていることが判明した。その内、返済残高は100万円から200万円が28%、200万円から300万は12.1%だという。田村は「給付型がもっと広まればいいなと思うんですが、現状は国から予算が出せていないのが問題。社会に出ていく前に借金が出来てしまう。夢や希望が自分の思いどおりに進められない悪循環なのでどこかでテコ入れしないと」と提言。貴島は「奨学金は学ぶ学生にとって大切な制度だとは思っています。私も学生の頃に奨学金の制度を深く理解していたかというと、学費の援助としてある認識だった。実際に返すときに重荷に感じているというのは納得できる」と話していた。

アンケートでは、借りこたことを後悔しているのは50%以上、奨学金の返済により夢を諦めた者は33.3%にも及ぶことが分かった。貴島自身は、制度を利用したことはないというが、兄と妹は奨学金を借りたそうで、「兄はかなり大変そうでしたね。一人暮らしも実家とは違う地域だったのでより大変そうだった」と振り返った。

また、田村は「いきなり節約しなければいけないとか、返済のことを考えながら働かないといけないって、気づいたら何のために自分は働いているんだろうってなる。いきなり借金がある状態はあまり豊かではないんじゃないか」と理論を展開。現在大学生の白本は「自分の年齢と重ねてみて、100万円200万円単位の返済が残っているというのは若い子からしたらプレッシャーと責任に感じます。その先の夢を考えるのはかなり厳しいのでは」と口にした。

イベントにちなんで、小さい頃の夢についても話が及んだ。お笑いコンビ・とんねるずを観て、小学生の頃からお笑い芸人になりたい想いが強かった田村は「僕は中学のときには東京行く予定だったんですけど、無口の親父が『どうしても高校は行ったほうがいい』って。理由は、高校卒業の3日前にどうしても許せないことがあって担任の先生を殴って退学になったらしい。なんで、あと3日が耐えられなかったんだろう(笑)。でも、それぐらい自分が苦しい思いをしたから高校は出てほしかったらしい」と回顧。続けて、「でも高校に行ったことで沢山の人に夢を語ることで道が拓けたので、実際に高校に行ってよかったなとは思う」と話した。

一方で、バンドマンに憧れていた時期もあるという田村だったが「憧れのバンドマンが『本当にやりたいことは職業にしない方がいい。2番目にやりたいことぐらいにしたほうがいい』ってラジオで言っていて、テレビの世界に入ってその方にお会いして『あなたの助言で2番目にやりたいことにした』と伝えたら、憧れのバンドマンに『絶対1番目にやりたいことやったほうがいい』って言われときは衝撃を受けました」と笑いを誘っていた。

貴島も最初からモデルになりたいと思っていたわけではないらしく、小学生の頃はグラフィックデザイナーを志していたとのこと。高校生の頃に所属した事務所時代に、芸能の道へ進もうと決意したそうで「昔から引っ込み思案で、家でPCを触っているような子だった。一番は自分に自信を持ちたいというのがきっかけで、この世界に飛び込みました」と明かした。

白本は、イルカの調教師を目指していたそう。一時期はバランス感覚を鍛えるために一輪車を練習していたとのことだが、「小学4年生ぐらいのときにイルカの調教師になりたいんだったら、女優さんになってしまえばイルカの調教師の役が来るだろうと思った」とのことから芸能界に進んだとニッコリ。実際にイルカの調教師役の仕事が来たのか問われると、白本は「募集中です」とアピールしていた。

「アディーレ未来創造基金#奨学金返済支援プロジェクト」の助成対象者は、2024年3月31日時点で満19歳から満34歳までの貸与型奨学金の受給者で、2024年3月末時点で返済義務を有する方に限定。金額は2024年3月31日時点の残額を全額を支援するという。発表時期は12月末を予定、助成時期は3月とのこと。エントリーは公式Webサイトのフォームより、動画もしくはPDFにて夢をテーマにしたレポートを提出することで完了する。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 田村淳「いきなり借金がある状態は豊かではない」アディーレ未来創造基金が奨学金返済に苦しむ若者を支援するプロジェクト発足