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試食会の冒頭では、東京ステーション開発株式会社常務取締役の佐々木義衛氏より、本企画の振り返りが行われた。
コロナの真っ只中に始まった本プロジェクト。特にダメージが大きかった飲食店が打ち勝てるようにという想いから企画されたとのこと。また、東京駅一番街がトップでありたいという理念をラーメンストリートにも活用したいと考え、取り組みを始めたことを明かした。
本来、地元でしか食べられない味を、東京駅でも食べられるように再現するのは味のクオリティ的に不安はあったが、名だたるラーメン屋の店主に創意工夫を凝らしてもらった末に実現。その結果、予想を上回る人が来場していると喜びを口にしていた。
「富良野とみ川」店主からも挨拶が行われ、「北海道の真ん中富良野から、この東京、経済の中心地。全国の名だたる名店がバトンを繋いできました。僕なんかで本当にいいのかなと思っていたのですが、(『せたが屋』前島司氏)社長から『いいから大丈夫。お前は出来るからやってくれ』ってお話がありました。最後のランナーとしてバトンを落とさずに駆け抜けたい」と意気込みを語っていた。
試食会では、100%富良野産と北海道産の小麦を合わせた麺を、石臼挽きした麺が特徴的な「石臼挽き中華そば」を頂いた。透き通ったスープを飲んでみると、鶏ベースと煮干出汁の2本立ての味がしっかりと味わえた。根室産短元昆布に干し椎茸、鰹と鯖から出汁を取っているそうだ。そして無化調に拘っているため、スッキリとした飲み口なのも印象的であった。
麺の方はというと、蕎麦のシコシコした食感とラーメンのもちもちした食べごたえが合わさった、唯一無二の食感といったところだろうか。旨みを残すために三度挽きされており、日本蕎麦のように芳醇な香りも食欲をそそる。
煮豚仕立てで調理した富良野産の腕肉は、とろとろとしていて肉の甘味を感じられた。低温調理した知床産の鶏胸肉のコンフィは厚みがあり、歯応えも抜群。そしてご厚意で乗せてもらったのは、富良野の山桜で燻製した五郎のスモークチャーシュー。口の中へと運ぶと、閉じ込められていた旨味を堪能することが出来た。
「味噌バターコーンらあめん」の方を頂いてみると、なるほど、北海道産牛乳100%バターの強みの塩加減と味噌のコクが見事にマッチ。そして若干バターでコーティングされたトロトロの玉ねぎの甘味も引き立つ。スープには3種類の味噌を使用しており、北海道産の野菜の甘味が広がる背脂香味油は優しい味がした
他にも期間数量限定で、鶏と魚介の白醤油ベースのスープに、ローストされた黒麺がよく絡む「焙煎小麦塩中華」も提供されているとのこと。気になる方はぜひ、店舗のほうに訪れて頂きたい。