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私が院長を務める「どすこい膝クリニック」は、ひざ治療専門の再生医療クリニックです。「歩行に関わる健康寿命を延ばす」をミッションに掲げ、ひざ関節の病気(変形性膝関節症)に対し、再生医療で解決を目指しています。
変形性膝関節症は、ひざの痛みの主な原因で、現在国内3000万人、50歳以上の2人に1人が抱えている病気と平成20年の厚生労働省の報告書でも報告されている病気です。ひざが痛むと、歩くことがどうしても億劫になっていくでしょう。そうして日常生活にも変化が生じ、健康寿命にも大きな影響を及ぼす要因となるのです。
一般的な変形性膝関節症の治療法は、根本的に治すことが難しいものでした。例えば、ひざへの負担を軽くするために痩せること、そのための運動療法。あとは痛み止めの薬、注射といった保存療法です。それらの治療が功を奏さなくなってきた段階で、外科手術を実施。人工関節を入れるというのが一般的な治療の流れです。「手術で治そう」が整形外科医の基本的な考えだったのです。
しかし、手術となると長期の入院が必要ですし、身体を切ること、全身麻酔への抵抗感もあります。手術後、ひざがかえって固くなってしまい、「やらなければ良かった」と後悔するケースもゼロではありません。そのため、「手術はしたくない」「痛いままでいい」とおっしゃる患者様が一定数いるのが現状です。
その点、当院が行う再生医療による治療は、手術不要で切らずに治せる点が強みです。自由診療となるため、費用の点だけがネックになってしまいますが、医療技術の発展により登場したこの新たな選択肢は、非常に素晴らしいものだと思っています。
再生医療とは、細胞や遺伝子を使った新しい治療法です。一時期、ニュースで見聞きすることの多かった「iPS細胞」も再生医療の1つです。iPS細胞は他人の細胞を使うものですが、当院が変形性膝関節症の治療に使うものは患者様本人の血液、脂肪です。
そのため、アレルギー反応、アナフィラキシーショックのリスクがないという安全性の高さに強みがあります。また、治療は注射で行うため、麻酔も入院も不要。身体への負担も軽いため、90代の方でも治療ができるのです。
ただ、注射をするだけでこの先ずっと快適に歩けるわけではありません。関節は使わなければまた固まってきてしまうため、痛みが取れたあとの状態を維持する生活習慣を身に付けることが大切です。そのため、当院では患者様の状態に合わせてプランニングをし、ご自宅でのケア用品や運動面のサポートも行っています。自宅にいながらサポートを受けていただけるよう、オンラインサポートにも対応可能です。
私は父が整形外科医だったこともあり、この道を志しました。保険診療医として働くなかで、「手術は怖いし、もういい年だから痛いままでいい」と言われる患者様と接してきた経験が、当院開業の背景にあります。何とかできないのかと調べ、再生医療に行き着きました。元来、挑戦が好きなタイプですので、「これなら今まで治せなかった人も治せるのでは」とワクワクしましたね。
名前の「どすこい膝クリニック」は、少しでも多くの患者様に覚えていただきたいと思ったことから名付けました。「再生医療」という言葉は少しずつ見聞きしたことのあるものになってきましたが、とはいえ堅い印象があるという声をよく聞きます。イメージを和らげ、かつ覚えてもらえる名前にということで、しこを踏む力士の言葉から「どすこい」という言葉を採用しました。名前から男性的なイメージを持たれてしまうのではという不安も少しあるのですが……。院内は明るく心地いい空間にしていますので、ぜひ男女問わず来院していただきたいです。
当院には医師のほか、ご相談に応じるカウンセラーも常駐しています。治療面、費用面、治療後のリハビリ面など、何でもご相談に応じますので、ご安心ください。
「どすこい膝クリニック」は2023年2月に開院したばかり。ひざに特化した再生医療を行うクリニックとして、1人でも多くの患者様のひざの痛みを解決できるよう目指してまいります。
■プロフィール
郷真知 (ごうまさとも)
横浜市立大学医学部医学科卒業後、大学医局に所属し様々な関連病院を周りながら臨床一筋で整形外科医として勤務。多くの変形性膝関節症の患者様の保存治療、人工膝関節全置換術などの手術療法に携わる。2023年3月にひざの痛みに特化した再生医療を行う、「どすこい膝クリニック」を開院する。