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「旧白洲邸武相荘」は戦後の日本復興に貢献した白洲次郎氏とその妻で随筆家の正子氏の旧邸。明治初期に建てられた養蚕農家を買い取り、1943年に夫妻が入居して居住した。当初、この家は夫妻の間に生まれた3人の子供の中で長男に引き継がれたが、売却・取り壊しが検討された時に長女の桂子氏が古き良きものを後世に残していきたい、自分が住み慣れた思い出の家を残したいと兄から買い取った。そして株式会社こうげい代表取締役として「旧白洲邸武相荘」をミュージアム、レストランとして2001年10月に一般公開させた。小田急小田原線鶴川駅より徒歩15分、バスで5分の場所ではあるが、それ以降、歴史的史跡として訪問者も絶えず、東京を代表する観光地となっている。
「旧白洲邸武相荘」は外観も内観も当時の姿を残した形で維持され、実際に使用されていた調度品や着物、食器などもミュージアムとして展示されている。正子氏の書斎もそのままになっていて、建物内に入るとまるでタイムスリップしたかのような、当時の生活が垣間見れる場所だ。
業務契約締結にあたり、合同説明会が開かれ、「旧白洲邸武相荘」の運営を行なっている白洲次郎氏・正子氏の娘であり株式会社こうげい代表取締役 牧山桂子氏、同所館長 牧山圭男氏に加え、東京都町田市市長石阪丈一氏、株式会社代ビームス代表取締役社長 設楽洋氏、株式会社ポニーキャニオン代表取締役社長 吉村隆氏により今般にいたる背景や展望が語られた。
小さい頃からこの「旧白洲邸武相荘」に住んでいた牧山桂子氏。この町田市の環境がどんどん変わってしまっている。後世の人のためにも子供の頃の原風景を感じてもらうべく、1件でもこのような家を残していきたい。そして貴重な着物や調度品などを若い人に見てもらい、継承していけたらと思っていると話した。
当初は白洲夫妻の人気もあり、オープンすると年に10万人の来場者がいた。そこから来場者の減少もあり閉館も考えたが、NHKのドラマ効果などもあり来場者が増えるなどして今までやってこれたと牧山圭男氏は語る。 共に運営する牧山桂子氏と牧山圭男氏の夫婦も80歳を超えて運営を続けるのも大変になったことや今後も変わらず「旧白洲邸武相荘」を維持していきたいという考えのもと、今回の業務締結に至ったと言う。現在も全国で白洲次郎氏・正子氏の催事を行うとこの「旧白洲邸武相荘」に足を運んでくれる人も増えるため、2人には多くの魅力を秘めている。
そうゆう意味でもこの土地で異業種で力を合わせることで新たなシナジー効果が生み出せると考えていると話した。
2002年にこの場所が指定文化財となり、今後も大切に残していきたい、継承していきたいと考えている。そのため「旧白洲邸武相荘」と協定が結べたことはこの場所が大好きな一個人としても嬉しいと石阪市長も語った。
運営に携わる2社のうち、株式会社ビームス代表取締役社長 設楽洋氏。ビームスは47年目に入り、40周年まで海外のいいモノ、コトを紹介してきたが、41年目からは日本のいいモノ、コトも紹介していきたいという方針となった。そこで今回の業務締結にも至ったのだ。
ビームスジャパンは日本国内の伝統工芸、地元のいいモノをプロデュースしてきた経験もあるのでビームスが持っているクリエイターを巻き込んで盛り上げていきたいと思っていると今後の展望を語った。
もう一社の株式会社ポニーキャニオン代表取締役社長 吉村隆氏。現在はさまざまな文化財を守るプロジェクトを会社としても行なっている。
その知見を「旧白洲邸武相荘」の活性化にも活かしたい。そしてこのような魅力的な文化財を残していくことが地域の活性化にも繋がると思うと話した。
2社ともに先ずは世の中に知ってもらうことが大きいと考えていて、PRの強化や情報発信、グッズ制作、イベントの実施などを進めて話題性を高めていく方針だと言う。また2社のターゲット層としても強い、若い世代にも知ってもらいたいと考えている。