ブロックチェーン技術を応用して実現される次世代の分散型インターネット「Web3.0(ウェブスリー)」。日本国内でもデジタル社会実現に向けた重点計画の方針に従い、デジタル庁が「Web3.0研究会」を開催するなど、大きなビジネストレンドとなっています。

このような社会的背景の中で2022年11月に設立されたのが「一般社団法人日本アニカナ業協会(東京都千代田区:田中慶子理事長)」です。同協会は2月9日、設立後初となる記者発表会を都内で実施。事業内容やビジョンのほか、活動事例なども紹介されました。    

世界初Web3.0プラットフォーム「アニカナ」

同協会は世界初となるWeb3.0プラットフォーム「アニカナ」を開発。アニカナを活用したビジネスにおいて「利用者保護」や「ガイドライン策定」、「モニタリング」、「分科会」といった活動を展開し、Web3.0の健全な経済行動と発展を目指します。田中理事長は「日本は今、Web3.0の黎明期。法やルールの整備が必要になってきている。アニカナを活用したビジネスの普及とともに、企業の支援やビジネスの基準づくり、グローバル化への貢献なども視野に入れている」と話します。

日本のWeb3.0ビジネスには様々なハードルがあります。事業主は暗号資産交換業の登録や資金決済法、犯罪収益移転防止法といった厳しい要件をクリアしなければなりません。一方、ユーザーは金融リテラシーやITに関する知見が必要。これらのハードルによって、Web3.0は一般消費者にほぼ普及されていないというのが現状です。

それらの課題を解決するのがアニカナ。資産の流通については暗号資産ではなく、クレジットカードや銀行振込で課金入金ができるようになります。馴染みのある「円」という法廷通貨でやり取りするため、安心して利用することができるでしょう。暗号資産専用ウォレットや海外暗号資産取引所などの口座も必要ないため、スムーズに進められるのも利点です。また、法については4大法律事務所や各専門家による検証を実施。日本国内の法の枠組みの下で社会実装されます。

体験を資産にする実証実験も

アニカナの大きな特徴として挙げられるのが「X to Earn」。自身の体験を資産に変えていくことです。ITスクール運営などを手掛けている株式会社ワークアカデミーは、アニカナを活用した実証実験を行いました。同社が運営する「資格とキャリアのスクールnoa」の受講生を対象に実施。学習による体験やスキルを資産価値とし、次の学びに役立てるという「Learn to Earn」です。受講生に向けて、学びの体験やスキルが記録されたNFT(アルカナ)がつくられ、マーケットに売却することで現金を得られる仕組み。参加した全ての受講生のNFTが売却されました。

田中理事長は「Learn to Earn」による教育、「Health to Earn」による医療費削減など、様々なユースケースを集めて発信していきたい。当協会はブロックチェーン活用サービス市場に先駆けて活動している。2025年度の市場規模は7,240億円と予測されており、その10%を獲得することが目標。アニカナを社会のインフラとし、正しく発展させていきたい」と今後の抱負を語りました。

中央集権型のWeb2.0から民主化を目指すのがWeb3.0です。アニカナの誕生は、誰もが平等に安心して経済行動できる時代をより加速させていくのではないでしょうか。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 来るWeb3.0時代。新たな経済行動の発展に向けて、一般社団法人日本アニカナ業協会が発足