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近年、トレンドの人流データ。コロナ禍による混雑予想などで活用されるシーンがよくありますが、その他にもマーケティングや災害など活用の幅が広がってきています。その人流データに関して、最新の研究結果が発表されました。
それは、歩行者の移動に関するデータを集計したものです。東京・千葉・神奈川・埼玉の「歩きやすい街」ランキングが発表されたのです。いったい、どの街が一番、歩かれているのでしょうか? 早速、見ていきましょう。
「トリマ」アプリや「Map fun」など地図事業を行うジオテクノロジーズ株式会社が、東京大学空間情報科学研究センターの柴崎亮介教授と2023年2月3日(金)より、人流データの共同研究を開始することを発表しました。
ジオテクノロジーズの高精度の人流データを東京大学へ提供することにより、初めて「歩行者」にフォーカスをあてた共同研究が実現するそうです。
これまでの人流データ研究では、車の移動や人の滞在にが多く行われていましたが、歩行者の移動に焦点が当てられたことはほとんどなかったとのこと。初回の研究結果として、東京・千葉・神奈川・埼玉の歩行者の移動データを分析し、「よく歩く街ランキング」を出しました。
その結果はこちら!
●集計概要
人流データ:ジオテクノロジーズの「トリマ」で収集したGPSの位置情報
対象エリア:1都3県の184市区(※町村は除く)
対象期間:2022年3月~5月の人流データ、約110万人
同社の高精度人流データでは、人の移動の軌跡が正確に分かるデータとのこと。これは一人当たりの平均距離を集計したものです。平日・週末ともに「神奈川県逗子市」が1位になっていました。つまり、逗子にいる人の歩行距離が一番長かったということ!
ちなみに平日の2位は「千葉県山武市」、3位は「千葉県香取市」、週末の2位は「神奈川県鎌倉市」、3位は「千葉県成田市」でした。
神奈川県逗子市といえば、逗子の海! リゾートスポットですよね。鎌倉市も同様に観光スポットであり、成田市は成田空港があるので週末はおでかけや旅行の歩行者が増えたのでしょうか。
また東京23区は、平日はトップ20に入らないものの、週末に一気に多くランクインしていました。意外と東京は、平日に歩かない人が多いんですね。
ところで、こうした歩行者にフォーカスした人流分析の基礎研究を活用すると、例えば市区町村別の1人あたり・1日あたりの「平均歩行距離」なども分かることになるそうです。なぜ市区町村ごとに歩行距離に差があるのか、どうして市区町村ごとに差が生じてしまうのかということが、「歩行者のデータ」を活用して、人々の健康を守るための街づくりに活用できる未来が広がっているといいます。
同社によると、今後は各地域についてより深い人流分析を行い、その背景や理由を人流データから追究していくそうです。
本共同研究について、柴崎教授と同社代表取締役社長 CEO 杉原博茂さんのコメントをご紹介します。
●東京大学 空間情報科学研究センター 柴崎亮介教授のコメント
「情報がますます重要になっていく中で、情報そのものを人間や社会に有効に役立てるためには、人の行動やその背景にある意図、人の感じ方や行動変容のメカニズム、人々が情報から何をどう抽出、注目するのか、背景知識との関連などを理解し、その中にいかにセンシング技術、シミュレーション技術、情報サービス生成技術を活かしていくのかを研究する必要があります。
今回、ジオテクノロジーズの人流データを活用することで、人々の移動手段を分析して、次に何が起こるのか予測することができれば、行動変容を促し、災害による被害を未然に防ぐことや、人々の健康を守るための街づくりなどへ活用が期待されると思います」
●ジオテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 CEO 杉原 博茂さんのコメント
「長年の地図メジャーとしての経験と実績をもつ当社には、1日に10億件以上の人流ログデータが集まります。この高精度な人流データを活用し、歩行者にフォーカスした分析を行うことで、地図づくりだけでなく、スマートシティの実現や様々なサービス開発、及び人々の生活と健康を守る街づくりに貢献することができると考えています。
このことは、我々のミッションである『地球を喜びで満たそう』という考えにも合致しており、今回我々が東京大学の柴崎教授と共同研究を始めることにした理由は、まさにここにあります。本共同研究が、我々のビジョンである『予測可能な世界の実現』に向けて、役立てると信じています」
今回の歩行者のデータの結果は、さまざまな分野に活用ができそうで、ワクワクしてきました。今後、ぜひ人と街をよくするべく、有効活用されていってほしいですね。
【参考】
ジオテクノロジーズが東京大学と人流データの共同研究を開始 「よく歩く街ランキング」発表、1都3県で逗子市が1位に(https://geot.jp/pressrelease/pressrelease-20230203/)