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「睡眠の質」は何よりも代えがたい健康の源。人々の睡眠意識が高まっていくなか、睡眠の質を上げるのに良いといわれている栄養素も明らかになってきています。睡眠の質向上を謳った市販品も増えており、ますます食事による睡眠の質向上対策が行いやすくなりました。
今回は、杏林大学名誉教授で、精神科医・内科医でもある古賀 良彦先生と、睡眠栄養指導士・食育指導士で、美人デザイン睡眠アカデミーを主宰する内藤 絢先生の解説のもと、睡眠に良い栄養成分と共に、それらが含まれている食品も合わせて紹介します。
古賀先生は、質の良い睡眠をとるための方法として、次の4つを挙げています。
1.規則正しい食事
2.早寝早起き
3.適度な運動
4.睡眠を改善する食品
多くの人がご存知の通り、規則正しい食事や早寝早起き、適度な運動は、質の良い睡眠に欠かせないものです。しかし、「4.睡眠を改善する食品」というのは、耳慣れないことではないでしょうか。
睡眠を改善するというと、睡眠薬を使用するイメージがあるかもしれませんが、まずは睡眠を改善する食品を取り入れ、不眠症やうつ病などの予防を行うのが良いと古賀先生は勧めています。
そして古賀先生は、睡眠に良いことがわかっている主な栄養成分について次のものを挙げます。
●アミノ酸類(グリシン、テアニン、トリプトファン、GABAなど)
●清酒酵母GSP6、セサミンなど
●ユーグレナ
アミノ酸類やセサミンなどは、よくサプリメントに含まれているので、聞いたことがあるかもしれません。一方で、ユーグレナが睡眠にいいというのは、初耳の方も多いでしょう。
古賀先生は、ユーグレナについて次のように述べています。
「ユーグレナ(和名:ミドリムシ)という生物は、植物のように光合成をしながら、動物のように水中を動き回る『藻』の一種です。植物と動物両方の性質を持つことから、幅広い多くの栄養素をバランスよく持っているため、普段の食事に合わせて摂ると、不足しがちな栄養素を広くカバーすることができます。また研究によって免疫力・生活習慣病などの改善など、さまざまな効果が確認されています。
特に、他の生物が持っておらず、ユーグレナだけが持っている成分「βーグルカン(パラミロン)」による効果は数多く存在します。パラミロンの主な効果として、焦燥や緊張感を改善するとともに、睡眠の質を向上させる効果があることが示されています」
ユーグレナは、新しい睡眠栄養といえそうです。今後も注目しておきましょう。
先ほどご紹介した睡眠の質を上げることが期待できる栄養成分が摂取できる、具体的な食品例を集めてみました。
ユーグレナを含むサプリメントとドリンクの機能性表示食品です。睡眠の質(眠りの深さ、スッキリとした目覚め)を改善する機能や、作業時の一時的なストレス(イライラ感・緊張感)を緩和する機能が報告されています(機能性関与成分:ユーグレナグラシリス由来パラミロンβ-1,3-グルカンとして)。実際に、ユーグレナ摂取により睡眠満足度に関する評価やスッキリとした目覚めに改善したデータも出ているそうです。
内藤先生によれば、「ユーグレナには、59種類の栄養素がバランスよく含まれています。特に女性に不足しがちな鉄分、男性に必要な亜鉛も含むほか、朝にとると安眠をもたらすといわれるビタミンB6も含むのも注目です」とのこと。
サプリメントの「からだにユーグレナ 睡眠・ストレスWサポート」は1日たった3粒で手軽に摂取でき、ドリンクの「からだにユーグレナ マスカット&ハーブ味」も手軽に飲めるうえに味は、レストランsioのオーナーシェフの鳥羽周作さんの監修で、飲みやすくスッキリと優しい味わいになっています。どちらも手軽に、ドリンクは美味しくユーグレナを摂取できそうですね。
こちらは豆乳を用いたヨーグルト商品です。
内藤先生によると、「ヨーグルトは、トリプトファンが多く含まれる食品の一つであり、おすすめの食品です。豆乳が苦手な方は、蜂蜜や甜菜糖を入れる、または甘味のあるフルーツにかけると食べやすくなります。コレステロールゼロのため、夕食後でも摂取しやすいですよ」とのこと。
普段、動物性のヨーグルトを摂取している人はそれを続けても良いそうですが、乳製品が苦手な人は豆乳ヨーグルトを取り入れてみてもいいかもしれませんね。
「L-テアニン」を関与成分とし、睡眠の質を改善(起床時の疲労感を軽減)することを表示した機能性表示食品のドリンクです。実際、6日間の摂取で睡眠の質が改善する作用が確認されています。
虫歯の原因となる糖類不使用で、カロリーもカフェインも共にゼロなので、夜寝る前でも飲みやすく続けやすいのが特徴です。パッケージに大きく書かれた「睡眠改善」の文字を見ながら飲めば、なんだかぐっすり眠れそうですね。
睡眠の質が下がり気味と感じているなら、ぜひこれらの睡眠栄養を含む食品を取り入れてみるのもいいのではないでしょうか。
【プロフィール】
古賀 良彦(こが・よしひこ)先生
杏林大学名誉教授。精神科医・内科医 睡眠障害、うつ病、統合失調症治療・研究のエキスパートとして、日本催眠学会理事長、日本薬物脳波学会副理事長などの要職を歴任。アロマテラピーや食品、ぬり絵の効果を脳波分析や脳機能画像を用いて検証し、臨床への応用を試行している。
内藤 絢(ないとう・あや)さん
睡眠栄養指導士(R)・食育指導士
美人デザイン睡眠アカデミー主宰
食育指導士を取得し、ダイエット指導活動を開始後、効果が出ないのは睡眠が原因と知り、睡眠栄養指導士(R)取得。美人デザイン睡眠アカデミーを立ち上げ、35~50歳のオトナ女性がもつ不調、睡眠の悩みを解消に導く睡眠の専門家として活躍。指導歴14年の現役ヨガ講師でもある。