新型コロナウイルスの流行による行動制限やリモートワークの推奨などにより、私たちの働き方は大きく変化しました。しかし現在では、徐々に行動制限が緩和され、緊急事態宣言が発令されていた期間よりも外出し、人に会う機会もぐっと増えていると感じています。これらの環境の変化は、私たちの働き方にどういった影響を与えているのでしょうか。

NTT コミュニケーションズ株式会社は、コロナ禍から次の時代への過渡期とも言える2022年の9月に、ビジネスパーソン男女500名を対象とした「働き方に関する調査」を実施。この調査から新型コロナウイルス流行以前、コロナ禍にはなかった課題が見えてきました。

2022年は出社頻度が増加傾向、62.0%が週 4 日以上出社

まず、出社頻度の変化を調査。2020 年は週 4 日以上出社すると答えた人が 53.9%、2021 年は53.2%とほぼ横ばいでしたが、2022 年は 62.0%という結果に。2020 年と比較すると出社頻度が8.1ポイント増加傾向にあるようです。

5 人に 1 人が「オンラインでミーティングをしたことはない」と回答

ミーティングを行う際にオンラインで行うことが多いのか、対面で行うことが多いのか、質問したところ、結果は意外なことに「オンラインがメイン(5 割以上~10 割)」は約半数の 53.0%でした。

図1 ミーティングのオンライン実施割合

また、オフラインでの会議がメインと回答した人のうち、5 人に 1 人が「オンラインでミーティングをしたことはない」と回答しています。緊急事態宣言が出ていた時にも、出社したり取引先に出向いたりする働き方をしていた人もいたということですね。

ビジネスマンが感じている働き方への課題は「ワークスペースへの不満」と「対人コミュニケーション不足」

ワークスペースに関してどのようなことを課題に感じているか?という設問では回答者の48%が「自席やオープンスペースからオンライン会議に入ると、周辺の雑音が入ってしまいミーティングがしにくい」の項目を選択。「社外で、適切な場所(機密情報の保持や周囲の音など)の確保が難しい」という設問についても、54.6%が当てはまると回答しており、ワークスペースの確保や周辺環境に課題を感じている人が多いと言えそうです。

図2 働き方の課題「自席やオープンスペースからオンライン会議に入ると、周辺の雑音が入ってしまいミーティングがしにくい」

図3 働き方の課題「社外で、適切な場所(機密情報の保持や周囲の音など)の確保が難しい」

働く場所以外にも、53.2%の人が「対面でのコミュニケーションが不足している」という点を課題として選択しています。確かに、新型コロナウイルスが流行する以前の働き方と比べると、筆者の体感でもオンラインでのコミュニケーションが圧倒的に増えています。対面でのコミュニケーション不足に課題を感じるのは、ある意味当然なのかもしれませんね。

図4 働き方の課題「対面でのコミュニケーションが不足している」

今回の調査で分かったことは、出社頻度は増えてもオンラインでのミーティングを行っている人が半数以上いることから、ワークスペースの環境や、コミュニケーションに関する課題が徐々に現れているということです。

ワークスペースと、対人コミュニケーション、双方の課題を解決する新プロジェクトが始動

「働き方に関する調査」を行ったNTT コミュニケーションズ株式会社では、2022年10月11日から自社が開発したアプリ「droppin」に新機能を追加。

droppinはNTTコミュニケーションズのスマートワークスタイル推進室が開発したサービスで、アプリ一つで全国500以上のワークスペースの検索と予約が一気通貫で出来るサービスです。

今回新しく追加された機能とは、オフィスの遊休スペースを社員以外のユーザーがdroppin使用し、他のワークスペースと同様に検索・予約・チェックイン・チェックアウトするというもの。

出社頻度が減って使用されなくなった会社のスペースと、ワークスペースを使用したいdroppinユーザーの需要と供給をマッチングさせる試みで、2022年10月中には協力企業である株式会社フロンティアコンサルティングとの実証実験が始まるとのこと。

 

世の中の流れにより、日々変わっていく働き方。皆さんも固定観念にとらわれずに自分に合った働き方を探してみてください。

「droppin」Web サイト:https://nttcom-droppin.com/enterprise/

 

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 NTT コミュニケーションズが「働き方に関する調査」を実施。出社頻度は増えてもコミュニケーションはオンラインで、ここから見える新たな課題とは?