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名古屋で「マリオンクレープ」のフランチャイズを展開し、自身も幼いころから慣れ親しんだ名古屋の味「たません」を「たませんクレープ」としてリメイクした濱地力さん。前回はその「たません」の開発秘話をお聞きしましたが、今回は「たません」にかける想いや、今までのエピソードについて聞いています。
――たませんクレープにかける想いを教えてください。
濱地力さん(以下、濱地)「やはり、名古屋めしの文化を広めていきたいという想いが強いですね。たませんクレープによって名古屋のイメージアップに繋がればいいなと。しかし、そのためには、たませんクレープが名古屋めしとして周りに認められる必要があったんです。最初の頃はたませんクレープにえびせんべいは刺していなくて、小エビを入れていたんですが、その時にお客さんに言われてしまったのが『こんなのたませんじゃない』という言葉でした。
そういったお客さんにもたませんとして認めてもらうためにえびせんべいをトッピングすることになったのですが、えびせんべいは保管している間に湿気ってしまうという問題点がありました。これを解決してくれたのが偶然の出来事だったのですが、ある時スタッフがえびせんべいを冷蔵庫ではなく、冷凍庫に片付けてしまったんです。数日後に冷凍庫から出して食べてみると、なんとパリパリの状態だったんです。湿気ってしまうという問題点がクリアされていたんですよ。
これならトッピングできるということで、クレープにえびせんべいを指すことになりました。そのリニューアルの甲斐もあって『東海じゃらん』さんに名古屋めしとして取り上げてもらうことができたんですね。第三者にたませんクレープが名古屋めしとして認められたことで、たませんクレープで名古屋めしの文化を広めていけると思ったんです。」
――今までたくさんのお客様がいらっしゃったと思うのですが、一番印象的だったお客様の声は何かありますでしょうか。
濱地「名古屋に仕事で来ている大阪のお客様がいたのですが、『本当に美味しい』と言ってくれて、また名古屋に来た時に寄ってくれたんです。その方が『これってありそうでなかった食べ物だね』と言ってくれたのが一番印象に残っています。僕はこの言葉が大好きで、僕の中ではヒット商品は『ありそうでなかった』というものなんです。
その大阪のお客様にそう言っていただいたのがすごく嬉しかったです。その方は未だに名古屋に仕事があるたびにうちの店に寄ってくれるんですが、たませんクレープは実は冷めても美味しいんですね。だからそのお客様もいつも10枚ぐらい買って持って帰ってくれるんです。」
――クレープのテイクアウトってあまりイメージが無かったのですが、冷めても美味しいならお土産としても嬉しいですね。
濱地「最近ですと、冷めても美味しいというエピソードで、去年の8月にある有名アーティストの楽屋飯に選ばれたんですよ。そうしたらなんと追加オーダーを頂きまして。楽屋で食べたものですから出来たてでは無く冷めたものだったのですが、追加オーダーを頂けたということは美味しいと思ってくださったんだなと。大変うれしかったですね。しかも、その後のライブMCでたませんクレープを食べたということを言ってくださったんですよ。そうしたらファンの方がうちのお店を調べて来てくれたんです。」
――それはすごいですね。もう名古屋めしとして周りにも知られてきた感じなのですね。
濱地「『東海じゃらん』さんに名古屋めしとして掲載していただいて、実はその後にも日テレさんの『ZIP!』にも出演させていただきました。地元の中京テレビでも取り上げていただきましたし、そういう経緯があって名古屋めしとして販売していたからこそ、有名なアーティストさんの楽屋飯にも選んでいただいて。これも名古屋めしとしてではなく、ただのお好み焼き風クレープだったら選ばれていなかったと思います。名古屋めしとして名古屋に貢献していきたいという僕の想いが一つ一つ形になっていってくれたんです。」
今回は「たませんクレープ」にかける想いや、今までのエピソードについて濱地さんにお話を伺いました。「たませんクレープ」は現在、マリオンクレープ平和堂ビバモール名古屋南店、マリオンクレープ カインズホーム名古屋みなと店にて販売中です。
次回は濱地さんがクレープ屋を営む上で常に意識していることや、今後についてお話を伺っています。