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よく物書きの間で言われている話ですが、原稿用紙1枚分(400字)の原稿を毎日書くとしたら、1年で原稿用紙365枚になり、単行本1冊もの量になります。毎日コツコツと書き進めていた人は1年が終わる頃に作品がかなり形になっているかもしれませんが、何も書かなかった人は何も得ることができないのです。
「作家になりたい」という人は世の中に大勢いますが、実際に作品を完成させることができる人はあまりいないとも言われています。まずは机に向かう時間を捻出させることから始めなくてはならない人も大勢いるのかもしれません。
私の場合、机に向かう時間を作るためにできるだけ家事を省略しています。全自動調理器を使ったり、ミールキットを使ったりして短時間で調理をするように工夫して、その浮いた時間で原稿を書いています。
逆に運動時間と睡眠時間はなるべく削らないようにしています。原稿を書く仕事は案外ハードなので、しっかりと気力体力を養わなくてはならないからです。そのためそれほど凝った料理は作っていませんが、おいしければ子どもは許してくれるものです。
最近やめたものは、オンラインゲームです。毎日カードゲームをして遊んでいたのですが、その時間を使えばもっと原稿に集中できると思い、今ではほとんどプレイしていません。原稿もゲームも目を使うので、目を休ませるためにもゲームを控えることにしました。
『GINGER』2022年5月号には「みんなの#やめてみた」という記事があります。上大岡トメさんの本『やめてみた。』を参考に、読者がやめてみたもののなかで時短になりそうなものは「テレビをだらだら観るのをやめる」「洗濯物を畳むのをやめる」がありました。
服をいちいち畳む手間を省き、すべてクローゼットのハンガーに吊るすようにしたら、コーディネイトもしやすくなって一石二鳥だったようです。現代人は忙しいので、やりたいことのための時間は工夫して作り出すしかありません。なにかをやめた時、新しいなにかが始まるかもしれません。