小さなバーがパンク・ニューウェイヴの震源地へ 音楽伝記ドラマ『CBGB ニューヨーク、PUNK が生まれた場所』
1970年代ニューヨークの場末にあった小さなバー「CBGB」が、パンク/ニューウェイヴの震源地へと変貌していく過程を描く音楽伝記ドラマ『CBGB ニューヨーク、PUNK が生まれた場所』が、シネマート新宿ほか全国にて公開中です。
1970 年代ニューヨーク。犯罪率が高く荒廃したロウアー・イーストサイドの片隅に、誰も気に留めない小さなバーがあった。後に世界の音楽史を揺るがす伝説的ライブハウス“CBGB”である。店名の由来は “Country, Bluegrass and Blues”。創設者ヒリー・クリスタルが掲げた「オリジナル曲のみ」という異例のルールが、行き場を失っていた若いロック・バンドを引き寄せた。テレヴィジョン、パティ・スミス、ラモーンズ、ブロンディ、トーキング・ヘッズ――後にロック史を塗り替える面々が、まだ粗削りなままこの小さなステージに立った。壁の落書き、剥がれた壁、汚れたトイレ、天井の水漏れ。混沌とした空間は、後にロック史を塗り替える若者たちが自分の声を見つける“実験場”として機能し始める。同時期に誕生したファンジン『Punk Magazine』もまたCBGBと密接に結びつき、音楽・アート・文章が渾然一体となった“パンク文化”を形づくっていった──。
監督を務めるのは独立系作品で知られるランドール・ミラー、主人公ヒリーを演じるのは『ハリー・ポッターシリーズ』スネイプ先生役で知られるアラン・リックマン。ヒリーの頑固さと不器用な情熱を独特の存在感で体現し、混沌と偶然と情熱が交差し、パンク/ニューウェイヴが形づくられていく瞬間を鮮やかに描き出します。ランドール・ミラー監督と、脚本のジョディ・サヴィンさんにお話を伺いました!
──本作楽しく拝見いたしました!個性的なキャラクターたちが繰り広げるドラマが素晴らしいですが、人々の描き方で工夫していることを教えてください。
ジョディ:映画を作る上で重要なのは、まず「どのキャラクターに焦点を当てるか」を決めることです。この作品にはたくさんの素晴らしいキャラクターがいますが、その中でもメインにヒリー・クリスタルという人物を選んでいます。このヒリー・クリスタルという人はパンク界のゴッドファーザーになられた人です。CBGBというものが生まれて、若者がやアーティストたちが集うコミュニティを作った方ですから。
ランドール:やりたいことがたくさんあった人だけれど、叶わなかったこともたくさんあった。そういった点で言うと、世の中が思う王道のヒーローという感じじゃなくって、アンチヒーローの役割を持っていた人だと思います。その結果、パンク界のゴッドファーザーになったという事実が興味深いよね。
──パンクミュージックとの関わり。どんなアーティストに影響を受けましたか?
ランドール:ロック全般を聴くのだけれど、僕が8歳から10歳の頃の音楽がこの映画の時代にハマるんだよね。映画の登場人物よりも僕は少し下の世代なのだけれど、当時の音楽を聞くと「あの時こうだったよな」というのが瞬時に思い出せる。それが音楽のすごさだなと思います。
ジョディ:パンクロックってやっぱり“本物”なところがあるなと思います。みんなが伝えたいことをしっかりメッセージとして持っていて、それを音楽を通じて表現している。「自分たちには伝えたい、こういう声があるんだ!」というパッションを持っている。私も10代の頃にそういったアーティストたちをたくさん聴いてきました。私の10代のサウンドトラックはパンクロックなんです。
──本作はピンチをチャンスに変えるお仕事映画としての面白さもありますが、映画を作る上で同じようなことがあるのでしょうか。
ランドール:映画制作は、まず予算を集めることがすごく大変ですし、キャスティングや本作の様な音楽映画の場合使用許可をもらうことも苦労します。撮りはじめてからも大変なことの連続だし、完成してからもどう人々に届けるかということを考えなくてはいけない。だけれど、完成して、こうして他の国でもたくさんの方に観ていただけると何よりも幸せになれる。映画を作る度にそういったやりがいを感じているよ。
ジョディ:ラッキーだったなと思いますけれども、それは本当に今作品っていうのは大物のキャリアになるんですかたちだったり、本当に優秀な才能のある人たちのキャストが集まってくれて。
で、映画っていつもこのキャスティングって本当に簡単なことじゃなくて、本当に、もちろん役者さんとして良い人を集めるっていうこと自体では難しいのに、それ以外にこういう作品ともなると、歌える人っていうのも条件に加わってくると。
で、なおかつオリジナルのバンドのメンバーに顔、表情、動きとかも発音とか、それも全て似てる人を集めなきゃいけないっていうのが特に難しかったポイントでもあります。
──日本の観客に向けて本作の見どころを教えてください!
ランドール:この時代が持っていたエネルギーを感じて欲しいです。ヒリー・クリスタルさんは、カントリーが聴けるバーを作ろうとしたら、いつの間にかパンクロックのゴッドになってしまった人。夢に向かって一歩踏み出した道から、全然違う場所に辿り着いたという事実がとても面白いのでぜひ楽しんでください。
ジョディ:すれ違うだけで会うことはなかった人たちに、クリエイティブな形で集える場所を提供したのがCBGBです。社会に抑圧されてしまった若者たちがちゃんと自分たちの声を上げる場所があったということ。そんな所に注目してほしいです。
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