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ASUS JAPANが9月に発売したクリエーター向けの2-in-1タブレットPC「ASUS ProArt PZ13」のレビューをお届けします。ASUSがゲーミング用途のタブレットPCとして販売する「ROG Flow Z13」のデタッチャブルな2-in-1形態をクリエーター向けに展開し、AI対応プロセッサーのQualcomm Snapdragon X Plusを搭載したユニークな製品です。
本体だけなら13インチタブレットとして、スタンドカバーと脱着可能なデタッチャブルキーボードを装着するとノートPCとして使える2-in-1仕様。
スタンドカバーとキーボードを装着した状態でサイズはW297.5×D211.5×H17.6mm、重量は約1.489g。本体はIP52の防塵防滴に対応し、米国国防総省が定める規格「MIL-STD-810H」にも準拠することから、屋外の過酷な環境でも使える耐久性を備えています。
キーボードは大面積のタッチパッドを搭載し、画面のタッチ操作と組み合わせて生産性の高い入力作業が可能。付属のASUS Pen 2.0によるペン操作と手書き入力にも対応します。
キーボードにはCopilotキーを搭載し、「40TOPS(Tera Operations per Second、毎秒1億回の演算)以上の処理性能を持つNPU(Neural Processing Unit)を搭載」「RAMに16GBのDDR5またはLPDDR5を搭載」「ストレージは256GB以上のSSDまたはUFS」というWindows PCの新カテゴリー「Copilot+PC」の要件を満たす仕様。同製品に搭載するSnapdragon X Plus X1P-42-100プロセッサーは、45TOPSと余裕のAI処理性能。RAMは16GBのLPDDR5X 8448を搭載し、ストレージは1TBのSSD。
レビューした時点では、CopilotのAIアシスタント機能に加えて、WindowsのペイントからAI機能のCocreatorを試すことができました。キャンバスに手描きしたイラストと、テキストボックスに入力したプロンプトから、AIが自動で絵を生成します。
「StoryCube」は、本体にプリインストールされたASUS独自のクリエーター向けファイル管理アプリケーション。PC内の画像や動画をAIが自動分類して、人物やシーンで検索できる他、撮影日時に応じてタイムラインで管理したり、GPS情報を付加した画像や動画を地図上で管理することができます。
クリエイティブ系アプリケーションのランチャーとして使える他、CPU負荷やメモリー使用量の確認、CPUやGPUのパフォーマンスを調整する動作モードの設定、色校正やカラーマネジメントの設定といった機能が利用できるダッシュボード「ProArt Creator Hub」もプリインストールされています。こちらは、ASUSのゲーミングPCを触ったことがある人なら「Armoury Crate」のクリエーター版と説明すると分かりやすいかもしれません。
13.3インチの有機ELディスプレイは解像度2880×1800、DCI-P3に100%対応し、色域はカスタマイズが可能。鮮やかな色彩とシャープなディテールを表現します。
背面には1324万画素のオートフォーカス対応カメラを搭載。写真を撮ってその場で編集するフットワークの軽いワークフローにも対応します。インカメラは491万画素のIRカメラで、Windows Helloの顔認証に対応します。
冷却ファンを効率よく静かに動作させる仕組みも。ファンが取り込むエアーは側面の背面の2系統で吸気することにより、エアフローを強化。この熱設計により、加熱することなく最大20WのCPU TDPを実現します。
インタフェースは側面に本体への給電とデータ転送、DP Altの映像出力に対応するUSB4ポートを搭載。付属する65W出力のACアダプターにより充電できます。バッテリー駆動時間はJEITA測定法2.0でタブレット本体のみなら約23.2時間、キーボードを装着して約23.1時間です。カバーを開けるともう1口のUSB4ポート、SDカードリーダーが利用可能。外付けSSDや外部ディスプレイを接続して作業環境を拡張できます。
AIによる生産性の向上は今後のアップデートに期待したいところですが、現時点でも外へガシガシ持ち出して画像や動画の編集ができるという身軽さとパワーが魅力のASUS ProArt PZ13。クリエイティブ作業の環境を外へ広げたい人やSnapdragon X PlusのAI PCに興味のある人は、一度店頭で手に取ってみてはいかがでしょうか。希望小売価格は24万9800円(税込)です。