累計発行部数2,400万部。南 勝久原作、「ヤングマガジン」で連載された漫画『ザ・ファブル』。 2019年と2021年には実写映画化、2021年より連載がスタートした『ザ・ファブル The second contact』も堂々の完結──。そしてTVアニメ『ザ・ファブル』が毎週土曜24:55~日本テレビ系にて順次全国放送中です。

興津和幸さん、沢城みゆきさん、花澤香菜さん、大塚明夫さん、津田健次郎さん、小村哲生さん、福島潤さんら豪華キャスト陣が集結している本作。主人公の佐藤明/ ファブルを演じた興津さんにお話を伺いました!

【あらすじ】幼少期から殺し屋としての英才教育を受け、どんな敵も6秒以内に鮮やかに葬り去る、 無敵の殺しの天才・通称“ファブル”。 ある日、組織のボスから「1年間誰も殺してはならない」 という突然の指令を受けた彼は、 人殺しをしない全く新しい生活を送ることになる—。 佐藤明と名乗り、プロとして初めて過ごす普通の生活。しかし、平穏な日常の中に蠢く、不穏な空気が明を放っては置かない…。 果たして、この最大にして至難のミッションを遂行することはできるのか!?

――大人気コミック、待望のアニメ化となりますが、興津さんは以前から原作はご存知でしたか?

実はオーディションを受ける前に友達に薦められて読んでいました。面白過ぎて一晩で一気読みしちゃって。その後オーディションのお話をいただいたときに、ちょうどいい機会だからと思って電子版を購入したんです。そして、また最後まで一気に読んじゃいました。何度読んでも面白い作品ですよね。他の人にもこの漫画を読んで欲しいと思い、某声優さんに「すごく面白い漫画があるんだけど、読まない?」と薦めたのですが、この前会った時には「まだ読んでいない…」と。もうさすがに読んでいて欲しいなぁ(笑)。

――もう読んでいるのか気になりますね(笑)。ファブル役はオーディションだったのですね。

オーディションではファブルのほか、クロ(黒塩)と高橋役も受けていたんです。「決まりました」と言われたときは、一番時間をかけてオーディションした高橋役かなと思っていたんですよ。そしたら「佐藤役です」と言われて。自分のなかでファブルはないだろうと思っていたこともあり、最初は「佐藤って、誰!?」と思っちゃって(笑)。 改めて「主人公・ファブルの佐藤明ですよ」と言われてビックリしました。それくらい意外だったんです。併せて、原作を読んでいる自分ですら一瞬「誰?!」となるくらい記憶に残らない「佐藤明」という名前をあえて選んだボスはすごいなあと思いました。

――ここまで一般社会に溶け込むお名前は無いですよね!周りの反響はいかがですか?

原作を読んでいる方から「佐藤の声が全然イメージできなかったけど、確かに興津さんだったらピッタリ」という声をいただきました。嬉しかったです。

――興津さんがやるからこそ“ただものではない”感がすごいですよね。

それは褒め言葉でいいですよね?(笑)僕は漫画を読む時、仕事じゃなくて先入観が何もない場合は、自分の声で読むんです。自分が主人公になり、感情移入しながら読みたいので。本作も自分の声で想像して読んでいましたが、ファブルって相手によって、態度が変わるし、そもそも殺し屋としてのプロフェッショナルなわけですから、「素性が分かってはまずい」というのが染み付いている。そんな“ただものじゃない”雰囲気を感じていただけたら嬉しいです。

――演じる上で工夫したことを教えてください。

本作にはいわゆるギャグシーンがいっぱいあるのですが、そういう場面も作画はリアルでストーリー展開にも沿っていることがあります。ハッキリとギャグと割り切るのではなくて、佐藤の心が動いてそういう言い方、言葉が出てきたという説得力を出そうと思って演じています。 一方で、「こういうことを考えて佐藤は生きているぞ」というのを出し過ぎると、「どこにでもいそうな印象の薄い佐藤明」を演じる彼を表現出来なくなってしまう。そこの塩梅は難しくもあり、自分の中で微調整をこだわりました。

――関西弁も肝になってきますよね。

『ザ・ファブル』のセリフ回しって、関西弁が自然に聞こえるんですよね。間とか圧が吹き出しのなかに込められている気がしまた。セリフの全部が全部そうとは言えないかもしれませんが、大阪が舞台という点にこだわって先生が書いているという印象があります。

僕は兵庫県出身で、他のキャストも関西人が多いのですが、同じ関西出身でも、住んでいた場所が違ったら微妙に関西弁が違うんですよね。大阪だけでも、北と南ではイントネーションが違います。「うちはこうだった」という違いをそれぞれで言い合いながら「これだとくど過ぎるから、軽く聞こえるようにしよう」と相談しながら作っています。文字にされた関西弁を声で演じる難しさもあって。地元の人間から「和幸、いつもの関西弁と違うな」って言われることがあるんです。とは言え、原作のセリフを自分なりの関西弁に変えたら「ここのセリフ違うやん」と原作ファンの方は思ってしまう。そのバランスが大切ですよね。

――ディズニープラスでの配信もあって海外の方がご覧になった時に、独特の用語であったり関西弁が面白く聞こえるのではないかなと思います。

そうですよね!世界中の方々に関西弁の良さを伝えていきたいです。

――興津さんはこういった裏社会、アウトローな世界をテーマにした作品はよくご覧になりますか?

大人になるにつれて「この世の中に裏の社会があるんだったら、その中で戦っている何者かがいるかもしれない」と思うようになって、好きになりましたね。「悪」ってハッキリと何かの基準で線引き出来ないものなのかも?という余白を感じるようになってから、アウトローな作品を楽しめるようになった気がします。『ザ・ファブル』の様な作品って本当か噓かも分からないじゃないですか。本当だったら怖いし、どこまでが現実で、どこまでが空想なのかという輪郭線がぼやけていくのが、楽しいのかもしれません。そしてこういう作品を読んでいると「悪いことはしないでおこう」と思いますね。

――悪いことをしている人だらけですもんね…(笑)。

ファブルが関わっている業界の人たちが怖いのは当たり前なんですけど、デザイン会社「オクトパス」にいる貝沼が実は一番怖いんじゃないかと思ってます。盗撮も不法侵入もしてますし…(笑)。

――分かります、すごく怖いキャラクターですよね。貝沼が今度どう絡んでくるのか…怖がりながら楽しみたいと思います(笑)。今日は素敵なお話をありがとうございました!

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■各話配信期間■
【1~3 話】2024 年 4 月 28 日(日)18:00~
【4 話】2024 年 4 月 28 日(日)18:00~5 月 5 日(日)17:59
【5~8 話】2024 年 5 月 26 日(日)18:00~6 月 2 日(日)17:59
【9~12 話】2024 年 6 月 23 日(日)18:00~6 月 30 日(日)17:59
【13~16 話】2024 年 7 月 21 日(日)18:00~7 月 28 日(日)17:59
【17~20 話】2024 年 8 月 25 日(日)18:00~9 月 1 日(日)17:59
【21~25 話】2024 年 9 月 29 日(日)18:00~10 月 6 日(日)17:59

【放送概要】
毎週土曜 24:55~日本テレビ系にて順次全国放送中
ディズニープラスで全話見放題 独占
その他配信サイトでもレンタル配信中
※TV 放送日時・配信開始日時は予告なく変更になる場合があります。

(C)南勝久・講談社/アニメ「ザ・ファブル」製作委員会

情報提供元: ガジェット通信
記事名:「 TVアニメ『ザ・ファブル』興津和幸インタビュー「“どこにでもいそうな印象の薄い佐藤明”を演じる塩梅の難しさ」