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1月5日(金)の公開初日から全国34館で公開され(6日から35館)、1月8日(月・祝)までの4日間で 動員8000人越えのスマッシュヒット!SNS上では「30年越しに劇場で観ることが出来た。何から何まで最高にクールでイカれていて。分かってはいたけどやはり傑作だった」や「30年という年月が過ぎても色褪せがなく、むしろ磨きと深みが増した傑作」「〝Little green bag〟が流れた瞬間、全く泣く感じじゃなかったのに自然と涙が出た」など絶賛の声が溢れ、一度観ると語りが止まらなくなる中毒性を持った本作。
今回はマニアであれば知っているハズ!?語りがより止まらなくなる『レザボア・ドッグス』の用語集をご紹介!
ナイスガイ・エディが好んで聴いているラジオの音楽番組。Mr.ピンクもMr.ブロンドも踊るほど好き。K・ビリーの声は『マドンナのスーザンを探して』(1985)などに出ていた俳優スティーヴン・ライトが演じた。1980年代後半にアメリカのラジオ局で「クラシック・ロック」と称される、60 年代や70 年代のロック音楽をオンエアする放送が増え、専門局も登場していたことが影響したと思われる。後に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で、実際にタランティーノ監督が1960~70年代にロサンゼルスで聴いていたラジオ局KHJの放送がDJやCMを含めて再現された。
メインタイトルに流れるベースラインが印象的な曲は、1969年にオランダのハンス・ボーウェンス率いるジョージ・ベイカー・セレクションが唄ったヒット曲。オランダ6位、ベルギー3位を記録したがアメリカでの最高位はキャッシュボックス16位。もともとは「グリーン・バッグ(GreenBag)」ではなく「グリーンバック(Greenback)
=ドル紙幣」だったが、印刷(タイプ?)ミスで「グリーン・バッグ」になったという。「小さな緑の袋を探す」歌詞が、マリファナの袋を探しているように取れるため、時代的にもぴったりと判断されたらしい。
劇中でMr. ホワイトが「アラバマと仕事をした」と話しているが、これは『トゥルー・ロマンス』のアラバマ(パトリシア・アークエットが演じた)のこと。トニー・スコット監督による映画と違い、オリジナル脚本では、アラバマはひとり取り残される。タランティーノ監督の頭のなかにある映画世界 “QT(クエンティン・タランティーノ)ユニヴァース” では、その後アラバマはMr.ホワイトと出会って仕事を仕込まれ、彼と手を組んでいくつものヤマを張る、というストーリーが描かれていた。
Mr. ブロンドが飲んでいるドリンク・カップはこの店のもの。
もちろん『パルプ・フィクション』や『ジャッキー・ブラウン』にも出てくる、あのハンバーガー店、QTユニヴァースのオリジナル・ショップ。ロゴのデザインは、タランティーノ監督がデビュー前に働いていたビデオ店「ビデオ・アーカイヴス」時代の店員仲間でグラフィック・デザイナーのジェリー・マルティネスが手がけている。
Mr.ブロンドが、ラジオの曲に合わせて踊りながら拉致した警官の耳を切り落とす場面は、暴力的過ぎると物議を呼び、韓国では「警察官への敬意を欠く」として上映禁止となった(5年後に公開)。元ネタは、セルジオ・コルブッチ監督のマカロニ・ウエスタン『続 荒野の用心棒』(1966) で山賊のボスが牧師の耳を切断し自分で食わせて射殺する場面。こちらも物議を醸し、世界各国で成人向に指定され、イギリスでは上映禁止になった(27 年後にテレビで初公開)。後にタランティーノ監督は同作の主人公をモチーフに『ジャンゴ 繋がれざる者』を作った。
Mr. オレンジが鏡の前で「お前は刑事バレッタだ!」と自分に言い聞かせるのは、ロバート・ブレイク主演で1975~78 年にABCで放映されたテレビシリーズ「刑事バレッタ」のこと。ニューヨーク市警のトニー・バレッタが、さまざまな職業の人間になりすまし、潜入捜査で事件の闇を暴き出す。ちなみに主演のブレイクは、2002年に2番目の妻を殺害した容疑で逮捕された(後に無罪となるが自己破産した)。
Mr. ブロンド(マイケル・マドセン)の本名は、ヴィック・ヴェガ。『パルプ・フィクション』でジョン・トラヴォルタが演じたヴィンセント・ヴェガの兄なのだ。マドセン&トラヴォルタ主演で、兄弟の過去(ヴィンセントがアムステルダムに住んでいた頃)のエピソードを映画化する企画も持ち上がってマドセンはやる気満々だったが、タランティーノ監督いわく「タイミングが合わなかった。時間が経ちすぎて、あの若かった頃よりさらに前の話を撮るのは無理」となったそうな。ちなみにMr.ホワイトの本名はローレンス・ディミックで、『パルプ・フィクション』でQT演じたジミーと血縁関係にあるらしい(Mr.ホワイトのセリフに出てくる闇医者の看護士ボニーは、ジミーの妻)。
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